検察官と警察の違いとは?
検察官は被疑者を起訴するかどうかを決める仕事であると前述しましたが、警察も検察官と同様に、犯罪の証拠などを収集する仕事をしています。検察官と警察の大きな違いは、最終的に被疑者を起訴する決定ができるかどうかという点でしょう。
捜査を行い、取り調べを行うのが警察ですが、検察庁では検察官自らも取り調べを行い、証拠が不十分な場合は警察を指揮して追加捜査を依頼したりします。裁判所に適正な判断を求めたり裁判の執行を指揮するのは、警察ではなく検察官の仕事となるため、検察官と警察は犯罪捜査に関わりながらも、被疑者への関わり方に大きな違いがあるといえるでしょう。
「検察制度」って?
そもそも検察制度が始まったのは、13世紀のフランスといわれています。最初は罰金や財産没収などの制度に関わっていたのが、16世紀ごろには司法行政業務を監督するようになり、現在の日本における検察制度にも引き継がれるようになったといいます。
検察官は国家の刑事訴追機関として公訴権を持ち、その適正な権限行使をするために調査を行い、訴訟するとともに裁判の執行を指揮監督します。刑事司法を運営する上での中心的な機能を果たしているのが検察制度といえるでしょう。
検察庁で働くには?
「将来は検察庁で働きたい」という方も多いかもしれません。検察庁では、検事や副検事、検察事務官として業務を行うことになります。検事・副検事になるためには以下の要件を満たし、さらに特定の試験に合格する必要があります。
【検事】
1.司法試験に合格した後,司法修習を終えた者
2.裁判官(判事・判事補)
3.弁護士
4.3年以上特定の大学において法律学の教授又は助教授の職にあった者
5.3年以上副検事の職にあって,検察官になるための特別の試験に合格した者
(引用元:検察官について:検察庁)
【副検事】
1.司法試験に合格した者
2.3年以上特定の公務員の職にあった者
(引用元:検察官について:検察庁)
検察事務官になるためには、国家公務員資格を取得する必要があるため、まずは法律について勉強し、司法試験などを受ける必要があります。司法試験に合格すると法曹資格を得ることができ、検察官や検察事務官として働くことができます。
検察庁は裁判をするかしないかを決める重要な機関
検察庁は、被疑者を裁判にかける上で重要な役割を果たしています。法律の知識だけでなく、社会の仕組みについて理解し、さまざまな証拠をもとに判断を下す責任ある仕事です。検察庁に興味がある方は、今回の記事を参考に、検察庁で働くためのキャリアについて検討してみてはいかがでしょうか。
参考