行政書士と司法書士の違いとは?仕事内容や年収・難易度を比較! - cocoiro career (ココイロ・キャリア)

行政書士と司法書士は、どちらも「書士」というネーミングであることから、「何が違うんだろう」と疑問を持つ人も多いといいます。行政書士と司法書士は仕事内容が大きく異なりますが、行政書士の資格を持っている人が司法書士を目指すケースも多いといいます。今回は行政書士と司法書士の違いについて詳しくご紹介します。

行政書士とは?

まずは、行政書士の仕事内容や年収、資格取得方法の概要についてご紹介します。

行政書士の主な仕事内容

行政書士の主な仕事内容は、各種手続きに必要な申請書類などを作成することです。行政書士は行政書士法に基づいた国家資格であり、官公署に提出する証明書類の作成などを行う専門職となります。

例えば、建築業者が今まで請け負ったことがない分野で工事を受注したときは、建築許可を受ける必要があります。また、飲食業ではお店を営業するために許可を取る必要がありますが、許可を得るための書類は専門知識が求められるため、書類内容に不備があると許可をもらえずに業務に影響を及ぼす可能性もあります。

行政書士は、上記の例のような複雑な書類を迅速かつ的確に作成することができるため、さまざまなシーンで活躍しています。

行政書士の年収

専門職である行政書士の年収ですが、行政書士を専門としているケースと、副業などで仕事をしているケースなどがあり、年収にも幅があるようです。近年は行政書士の資格保有者が増加傾向にあることから、正社員の年収は約400万といわれています。地域によっても年収が異なるほか、ほかの国家資格を組み合わせて開業している場合は年収が500万以上となることもあるようです。

参考
行政書士の仕事の平均年収は400万円!給料ナビで詳しく紹介|求人ボックス

資格取得法や試験難易度・登録人数は?

2018年の行政書士の受験情報によると、受験者数は39,105名、合格者は4,968名で、合格率は12.7%となっています。また、最年少合格者は16歳、最年長合格者は77歳と、年齢にも幅があることが分かります。受験資格は特に設けられていないため、独学や通信講座などを利用して資格を取得する人も多いようです。また、行政書士の登録人数は、2017年の時点で約46,000名となっており、この数字は司法書士の登録数の約2倍となっています。

参考
結果概要|一般財団法人 行政書士試験研究センター
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司法書士とは?

それでは次に、司法書士の仕事内容や年収、試験難易度などについて、前述した行政書士の内容と比較しながらご紹介します。

司法書士の主な仕事内容

司法書士とは、司法書士法に基づいた国家資格であり、主に登記や供託を扱っている専門資格です。法務省の認定を受ける司法書士として、一定の範囲内において法律で定められた分野に対する法律業務を行います。司法書士は法務局や裁判所への提出書類を作成しますが、一方で行政書士は国や都道府県などの行政機関への提出書類を作成します。

弁護士は法律業務をすべて扱うことができますが、司法書士は法律で定められた一定の分野や範囲のみを扱うことができるという違いがあります。そのため、弁護士が行き届かない部分を補完するという意義を司法書士は持っています。

司法書士の年収

司法書士の気になる年収ですが、平均年収は約430万円といわれています。司法書士事務所などに勤めている場合は、事務所の規模や個人の実力によって年収に差があるようです。一人前の司法書士として独立している場合は、年収1千万円を超えるケースもあれば、平均年収に満たないという場合もあるようです。行政書士と司法書士を比較すると、資格取得の難易度が司法書士の方が高い傾向にあるため、行政書士よりも高収入を得られる可能性は高いといえるでしょう。

参考
司法書士の仕事の平均年収は424万円!給料ナビで詳しく紹介|求人ボックス

資格取得法や試験難易度・登録人数は?

司法書士の資格試験に受験資格はありませんが、行政書士と違う点として、資格取得のために資格専門学校などへ通ってしっかりと対策する必要がある点が挙げられます。法律科目が出題科目の大半を占めていることは行政書士と類似していますが、司法書士の方が試験難易度が高く、登録人数も行政書士よりも少ないという特徴があります。

法務省の発表によると、2019年の司法書士試験の受験者数は13,683名で、合格者は601名となっています。最終的な合格率は3.6%で、行政書士よりも難易度が高いことが分かります。また、司法書士の登録人数は、行政書士が46,000人を超えているのに対し、約22,000人と、半分以下の登録数となっています。

参考
平成31年度(2019年度)司法書士試験の最終結果|法務省

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