試験科目について
裁判所事務官の試験科目ですが、総合職試験・一般職試験によって内容が異なり、さらに区分によっても違いがあるようです。過去の試験問題については公式ホームページでも公開されているため、試験対策として役立てるのがいいでしょう。ここでは、一次試験と二次試験の主な試験科目や内容について詳しく紹介します。
一次試験
一次試験では、多肢選択式の基礎能力試験と専門試験が行われます。高卒区分では専門試験はなく、代わりに作文が試験内容に含まれています。専門試験では、法の知識や判例を基にした問題が多いため、あらかじめ過去問に目を通しながら試験の出題傾向を把握するのがいいでしょう。
問題の例としては、過去に以下のものが出題されました。
思想・良心の自由に関する次のア~ウの記述の正誤の組合せとして最も妥当なものはどれか(争いのあるときは,判例の見解による。)。
(引用元:2019年度裁判所職員採用総合職試験(裁判所事務官)・一般職試験(大卒程度区分)第1次試験専門試験,p1|裁判所)
二次試験
二次試験では、区分によって試験内容が異なります。院卒者区分では記述式の政策論文試験、憲法・民法・刑法・訴訟法などの試験科目が出題されています。また、大卒程度区分では憲法などの専門試験と論文試験、高卒者区分では専門試験はなく作文試験があります。論文試験では、「良い職場とは何か?それを実現するための方法は?」といった個人の論理的思考や価値観、知識を問われる内容となっているため、普段から情報収集する必要があるでしょう。
作文試験では「人と接する上で大切にすること」など、個人の価値観や論理について問う内容が出題されています。論文や作文は文章を書く最低限のスキルが求められるため、あらかじめ文章の書き方や構成の立て方について考えておくといいでしょう。
各科目のボーダーは?
前述した通り、裁判所事務官の試験は倍率が高く、難易度が非常に高い試験となっています。まずは1次試験に合格するためにも、筆記試験では高いスコアを獲得することが求められます。例えば、院卒者区分の第一次試験の平均点は、基礎能力試験が30点中16.37点、専門試験が30点中24.35点となっています。択一試験については、裁判所が公表している「下限の得点」よりも下回る場合は不合格となってしまうため、注意が必要です。半数以下、すなわち15点以下のスコアの場合は、不合格となる可能性があるため、一次試験では平均点以上を取ることが必須となるでしょう。
過去の試験の下限の得点は公開されており、院卒者区分は12~14点、大卒程度区分は総合職、一般職ともに12~15点、高卒者区分は45点中約19~20点と、5割以下は不合格となる可能性が大きいことが分かります。
参考
2019年度実施結果 総合職試験(裁判所事務官,院卒者区分)|裁判所
2019年度実施結果 総合職試験(裁判所事務官,大卒程度区分)|裁判所
2019年度実施結果 一般職試験(裁判所事務官,大卒程度区分)|裁判所
平成30年度実施結果 一般職試験(裁判所事務官,高卒者区分)|裁判所
裁判所事務官の試験は難関!早めの試験対策が必要
裁判所事務官として働きたいという方は、難関試験といわれている採用試験に合格する必要があります。裁判所事務官の倍率は約7~53倍と、区分や受ける試験によっては非常に高いレベルが求められます。試験対策としては過去問の復習をする方が多いといわれているため、これから採用試験を検討している方は、まずは公式ホームページの情報を基に試験対策について考えるのがいいでしょう。
参考
裁判所事務官採用試験の難易度・合格率・倍率 | 裁判所事務官の仕事・なり方・給料・資格を紹介 | Career Garden
裁判所事務官(一般職)のボーダーについて知っておこう|ASK公務員