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2021年から開始予定の大学入学共通テストは様々な反対に遭い、変更を余儀なくされています。2019年11月、英語民間試験の導入が2024年以降に延期されることになり、翌月には導入予定であった国語と数学の記述式問題も見送りが公表されました。今回は、大学入学共通テストが反対されている理由について見ていきます。
もくじ
大学入学共通テストの施行に至った経緯
大学入学共通テストのことを理解ために、まず、政府が大学入学共通テストの施行に至った経緯について知っておきましょう。
未来の社会に貢献する優秀人材の育成
今の日本は、労働人口も減り、少子高齢化社会が加速しています。ほかにもAI技術の向上やグローバル化などの社会的背景もあってか、「未来」を創り出す人間として必要な資質や能力を備えた人材が求められています。
その影響もあってか、一人ひとりが自立でき、社会に貢献する人材育成を教科したいという目的もあり、大学入学共通テストの実施に至りました。
思考力・判断力・表現力を養う
これまでの知識詰め込み式の学習だけなく、一つのコトやモノについてさまざまな視野を広げられるよう、主体性を育むことが尊重されるようになりました。そのため、学校の授業や課外が集うでも思考力・判断力・表現力を育む、かつそれらをアウトプットし、大学入試共通テストに活かすそうとしています。
英語を確実に伸ばす
グローバル化の社会の中、英語は必須です。そして、企業でも英語が公用語というケースもあります。英語の「聞く・話す・読む・書く」といった4技能を必要とされている風潮もあり、大学入学共通テストでもより実用的な英語の出題問題を出すことに決まりました。
大学入学共通テストが反対されている理由5つ
報道でも取り上げられていましたが、大学入学共通テストに関しては、政府に反対運動をした高校生たちもいました。
こちらの章では、どうして大学入学共通テストが反対されているかについて触れていきましょう。
記述式問題の採点者に対する不安
大学入学共通テストは、2021年のスタート時に記述式が導入される予定ではありましたが、2019年12月に国語と数学の一部記述式問題を見送ることが決定しました。いつ記述式が導入されるかという情報については、未定です(2019年12月20日時点)。
試験内容が決定した当初は、国語と数学の記述式問題を採点の経験不問のアルバイトを雇って採点に取り組むという話も挙がっており、「どのような人が採点するか心配」「公平性に欠ける」という観点で不安視する人たちも多数いました。
また、記述式の回答は、採点者の観点で「正しいか」「ずれているか」というジャッジするため、全体的な採点基準があいまいになるリスクがあります。
そのため、受験生は、自分が正しいと書いていても配点が少なくて損した、それとは逆にあまり書かなくても配点が意外と高かった……などの声が挙がると考えられます。
このように採点者の「質」によって、受験者を不安にさせるとの声が出ています。
運営側と受験者の情報共有不足
大学入学共通テストを反対や中止をする主な理由の一つとして情報が受験生サイドに共有されていないことが挙げられています。そのため、不安や疑問を抱いている受験生も少なくありません。
実際に受験生から挙がっていた声をピックアップすると以下の通りです。
英検等の民間試験を3年生のあいだに受けることになっているが、その内容も不明瞭で、英検の申込期間が延びたりしているのも信用性が疑われると感じる
(引用元:「英語の民間試験」受験生の8割以上が反対だった!「我々は実験台ではない」「情報不足が怖すぎる」|J-CAST会社ウォッチ)
学校に情報がなんも入ってきてない。先生たちも『かも』で話す。怖すぎる
(引用元:「英語の民間試験」受験生の8割以上が反対だった!「我々は実験台ではない」「情報不足が怖すぎる」|J-CAST会社ウォッチ)
詳細が決まらず発表されない点に憤りを感じる。私たちは実験台ではない
(引用元:「英語の民間試験」受験生の8割以上が反対だった!「我々は実験台ではない」「情報不足が怖すぎる」|J-CAST会社ウォッチ)
また、有識者の方からも以下のような声が挙がっています。
運営上の失敗、構造的欠陥、理念のいい加減さが問題
(引用元:20年度の「新共通テスト」に反対シンポジウム – 社会|日刊スポーツ)
このように正しい情報が運営側から共有されていない様子がうかがえます。
英語民間試験の日程・有効期限の縛り・平等性
大学入学共通テストでは、受験生の英検などの英語民間試験の取得状況について入力、記載する部分があります。
しかしながら、受験生のスケジュールや居住している地域によっては、英語民間試験を受験が思うように受験できないという声も実際に挙がっていました。
また、大学によっては、取得した英語民間試験に有効期限を設け、「合格してから2年以内」といった条件を提示しています。高校1年の段階で、英語の上級レベルの級やスコアを取得しても無効となる場合があるので、注意が必要です。
英語民間試験の複雑な条件
大学入学共通テストでは、大学によって英語民間試験の活用を見送るか、活用するか分かれています。
例えば、国立大学の2021年度の入試であれば、全国の国立大学82大学のうち東京大学や一橋大学など73大学で活用しないことが決定しています。加えて、私立大学でも慶応義塾大や北里大などにおいても選抜方法で英語民間試験を利用しない見込みです。
その一方、成蹊大では、英語民間試験のスコアを英語の加点対象としているなど、私立大学に関しては、それぞれ英語民間試験の活用の違いがあるので、注意が必要です。
このように、複数の大学を受験する場合、英語民間試験の活用の有無について各大学の入試要項を抜け漏れなくチェックしないといけません。
参考
【大学受験2021】英語民間試験、国立大9割で活用せず(全大学一覧表)[訂正あり]|リセマム
2021年度 主要私立大学入学者選抜試験一覧|駿台予備学校 P4
CEFRと各民間試験の齟齬
英語民間試験の種類は、英検だけでなく、GTECやケンブリッジ英検などがあります。各級やスコアの基準に関しては、CEFR(セファール:Common European Framework of Reference for Languages)という国際指標によりA1〜C2の6段階で評価されます。
例えば、ある一人の受験生が英検2級でCEFRの指標B1でも、GTECでは英検のCEFR指標を下回るA2だった場合、どちらの指標で通用するかどうか迷いが生じます。CEFRの指標をそのまま反映すると受験の時に不利になることもあるかもしれません。
ですから、CEFRの指標で基準を決めている大学に関しては、指標に齟齬が生じる可能性もあるので、受験生の英語レベルをグルーピングすることは難しいと言えるかもしれません。