1日・1ヶ月・1年の時間軸で見る経理部の業務内容
経理部の主な業務内容を確認して分かるとおり、経理部の業務は1年を見通して行います。ここでは、「1日」「1ヶ月」「1年」の3つの時間軸で経理部の業務内容をご紹介します。
1日の仕事は出納業務が基本！
経理部の1日の仕事は、出納業務が基本になります。経理部の1日のスケジュール例を確認してみましょう。
| 時間 | 仕事の概要 | 詳細 |
| 9:00 | 仕事の準備 | メールチェック
スケジュール確認 小口現金の準備 帳簿準備 |
| 10:00～ | 現金出納
伝票作成 |
経費の計算
仮払金の処理 領収書の整理 伝票作成 備品チェック・補充 |
| 12:00 | ランチ | － |
| 13:00～ | 預金管理
帳簿作成 |
送金・振込業務
現金の引き出しと預け入れ 売掛金の入金 午前中の現金出納の帳簿作成 預金残高・現金残高の確認 現金確認 小口現金の返却 |
（はじめてでもわかる！ 経理の仕事｜経理実務の学校、１日の経理の仕事スケジュール｜弥生、経理の１日｜Career Gardenより作者作成）
メールチェックやスケジュール確認などの仕事の準備から始まり、現金出納と伝票作成が午前中に行われています。現金出納業務には、社外向けと、社内向けの2つのパターンがあります。
社外向けの例としては、会社で使っているボールペンやプリンター用紙、インクなどの備品を業者から購入することが考えられます。一方、社内向けの例としては、社員が外出や出張をしたときに立て替えた交通費や宿泊費を、領収書を確認して精算することなどがあります。
これらの現金出納業務は、午前中か午後の早い時間までに行う場合が多いようです。午後になると、1日のお金の動きを帳簿に記録して、現金・預金などのお金に間違いがないかを確認します。経理部の1日の仕事は、確認の仕事と言い換えることができるでしょう。
1ヶ月の仕事は給与計算！
1ヶ月ごとに行う仕事には、給与計算があります。一般的に、会社では月に一度給与が支払われます。そのため、経理部では1ヶ月に1回、給与計算の仕事を必ず行っています。給与計算とともに、年金や健康保険などの社会保険料、源泉徴収した所得税・住民税の納税も同時に行われています。
給与計算以外の仕事では、月次決算の作成があります。月次決算は、毎日確認している出納業務を1ヶ月分集計してまとめることです。月次決算を作成することで、その月の経費の傾向を、各部署のマネジメント担当者や経営者に客観的な数字で知らせることができます。月次決算を受け取った担当者は、前年や前月と比較して「無駄な経費がかかっていないか」「来月はどこにリソースを集中させるべきか」といった事業戦略を練ることができます。
1年の大仕事は決算書の作成と税務署への申告！
1年のうちに経理がやるべき仕事はいくつかあります。その中でも、年度末に提出する決算書と税務署への申告は大仕事です。下記が、1年の間に経理部が行う主な仕事です。
- 年次決算書作成
- 税務申告
- 賞与計算・支払い
- 社会保険の算定基礎届提出
- 労働保険の更新
- 中間税務申告
- 年末調整
- 給与支払報告書の提出
- 法定調書の提出
- 償却資産税申告書の提出
決算書や税務署への申告以外にも、年末調整や賞与計算・支払いが発生する年末は、経理部にとって特に忙しい時期になります。ただ、期日が最初から決まっていることなので、計画性を持って仕事を進めることでスムーズに仕事に当たることができます。
まとめ
経理部は、お金の動きを数字で表すのが仕事です。「数字」という誰が見てもはっきりしているものを扱っているため、正確性が求められます。また、経営陣に近いところで仕事をする機会が多いため、「経営管理」として経営陣を数字の面からサポートすることができます。
経理関係の日商簿記検定は、経理・財務担当者だけでなく、経営者も多く受験しています。つまり、経営を行う上で、「数字」を扱うことができる実務スキルはとても大切なものなのでしょう。この記事が、経理部の仕事理解を深める一助になれば幸いです。
参考
「最強の経理部」をつくる役割分担、5つのポイント｜ダイヤモンドオンライン
