SHANGHAIRANKING
最後は、アジアにある中国上海交通大学の高等教育研究所が発表しているランキングをご紹介します。2003年から始まったこのランキングは、中国国内の大学のレベルを高めるのが目的の1つでした。評価の対象は、数学や物理、化学、コンピュータ、工学、医学など科学研究のみです。評価指標は下記のとおりです。
項目 | 配分 |
---|---|
ノーベル賞・フィールズ賞を受賞した卒業生数 | 10% |
ノーベル賞・フィールズ賞を受賞した教員数 | 20% |
被引用研究者数 | 20% |
ネイチャー誌とサイエンス誌に発表された論文数 | 20% |
論文引用数 | 20% |
1~5の指標の総合スコアをフルタイムスタッフ数で割った数(規模) | 10% |
ハーバード大学のランキングは、公開が始まった2003年からずっと変わらず1位です。さらに、2位のスタンフォード大学と20ポイント以上の差を付けています。これは、学術論文の引用数やノーベル賞受賞者数が多いことが理由だと考えられます。
年 | ハーバード大学の順位 | 東京大学の順位 |
---|---|---|
2012年 | 1位 | 20位 |
2013年 | 1位 | 21位 |
2014年 | 1位 | 21位 |
2015年 | 1位 | 21位 |
2016年 | 1位 | 20位 |
2017年 | 1位 | 24位 |
2018年 | 1位 | 22位 |
2019年 | 1位 | 25位 |
参考
Academic Ranking of World Universities 2018|SHANGHAIRANKING
世界大学ランキング|Wikipedia
ハーバード大学の選考方法
3つの世界大学ランキングを確認すると、ハーバード大学が世界最高レベルの大学であることが分かります。では、ハーバード大学ではどのように選考が行われているのでしょうか? ここでは、選考基準についてご紹介します。
ペーパーテストだけではない6つの審査
日本で大学受験というと、ペーパーテストですべてが決まることが多いです。もちろんA.O.入試もありますが、ペーパーテストが大多数を占めています。それに対して、ハーバード大学では、6つの角度から学生を選考していきます。
- 願書
- 高校4年間の成績(日本の場合は3年間)
- エッセイ
- 推薦状2通
- SATの教科別テストのスコア(アメリカの全国共通テスト)
- 面接
ハーバード大学は、ペーパーテストのスコア以外にも、高校時代にリーダーシップを発揮してきたかや社会に貢献する活動をしているかなど、模範的な学生であることが評価の対象になります。また、エッセイや面接でペーパーテストでは分からない個性も見ています。さらに、推薦状が必要なのは周りからの評価を得るためにです。
大学の理念が選考基準?
ペーパーテストのスコアで合否が決まる日本の大学受験に比べると非常に分かりにくく感じますが、就職活動を思い浮かべるとイメージを捉えやすいのではないでしょうか。会社で働くときに、ペーパーテストだけで採用か不採用か決めることはあまりないでしょう。その人がどんな人なのか、時間をかけて多角的に見るのがハーバード大学の選考方法です。
そのため、はっきりとした合格ラインはありません。ただ、1つの基準になるのはハーバード大学のモットーや理念ではないでしょうか。
Motto
Veritas (Latin for “truth”)
(中略)
Mission Statement
(中略)
The mission of Harvard College is to educate the citizens and citizen-leaders for our society. We do this through our commitment to the transformative power of a liberal arts and sciences education.
(引用元:Harvard at a Glance|HARVARD UNIVERSITY)
モットーはラテン語で「真実」、理念は社会に貢献するための市民リーダーを育成することであるとしています。
ハーバード大学が求める学生
最後に、ハーバード大学が求める学生像をご紹介します。キーワードは「リーダーシップ」「社会貢献」「多様性の尊重」です。
リーダーシップがある
日本ではあまり聞き慣れませんが、ハーバード大学ではリーダーシップの授業が行われています。ハーバード大学の理念にもあったように、リーダーシップを持った市民を育成することをミッションとしています。
ハーバード大学の学生には、学校内や地域でリーダーシップを発揮してきた経験が求められますし、将来的には働いている会社や地域・国・世界のためにリーダーシップを発揮することができる人材を求めているのではないでしょうか。
社会貢献ができる
キリスト教の文化圏では、お金を持っている人が施しを与えるのが善い行いとされます。それと同じで、エリートになり高い収入や社会的地位を得ている人は、社会に貢献する活動をすることが求められます。だからこそ、ハーバード大学の学生は社会に貢献する意識が必要です。
多様性を尊重する
ハーバード大学には、アメリカ合衆国の50州すべてと約80ヶ国から学生が集まっています。その学生たちは、文化的な背景も宗教も言語もさまざまです。その環境はまさに世界の縮図そのもので、違いを尊重することが求められます。