高等専修学校の例
全ての専修学校が高等課程を設置しているわけではありません。そのため地域によっては通学できる学校が限られてしまうところもあります。ここでは学校数が多い東京都内にある高等専修学校の概要を見て、どのようなことを学べるのか紹介します。
調理
野田鎌田学園杉並高等専修学校の調理高等科では、卒業と同時に調理師の免許を取得できます。調理の時間以外にも、国語・数学・社会・理科・数学・英語・保健体育・芸術・音楽の授業を設けています。高等専修学校の中でも、一般科目に比較的力を入れている学校と言えそうです。2年時以降、家庭科で専門科目に合流するカリキュラムとなっているようです。
ブレザースタイルの制服もあり、高校に通うという雰囲気を味わいつつ、専門的なことをしっかり学ぶことができます。
理美容
山野美容専門学校の高等課程は夜間コースになっています。昼間仕事をしながら通いたい子供に向いているカリキュラムです。山野で設けているは美容コースのみですが、理容コースのある学校もあります。進路の希望をもとに、しっかり学校選びをしましょう。
理美容師の場合は、学校卒業後に国家試験を受けて資格取得をします。試験対策もしっかり教えてくれる学校を探すといいでしょう。
参考
高等課程 | 山野美容専門学校 [美容の専門学校をお探しの方]
ファッション
デザインから縫製・編み物などの技術までを学べる学校もあります。ファッションの場合は必ず必要になってくる国家資格はありませんが、仕事にするのであれば確かな技術が必要となります。高等専修学校で学んだ後、さらに専修学校などに進学して学ぶ子供もいるようです。
参考
二葉ファッションアカデミー 高等課程 | 古屋学園/東京・吉祥寺
芸能
ダンス・音楽・声優・俳優などの芸能系に特化した高等専修学校もあります。TSM東京スクールオブミュージック＆ダンス専門学校の高等課程では、実際に芸能活動をしながら卒業を目指すというコースもあります。すでに芸能活動を始めている子供には、通信制高校と並んで通学しやすい学校と言えるでしょう。
参考
普通の学校生活じゃもの足りない！｜TSM東京スクールオブミュージック＆ダンス専門学校 高等課程
芸術
絵画・陶芸・伝統工芸・デザインなどの芸術系に特化した高等専修学校もあります。卒業後に美大などに進学するというパターンもあるようです。高校卒業資格が取れるところが高等専修学校の強み。「まずはこの道に向いているのかどうか確かめたい」といった動機で入学してみるのもいいのかもしれません。
参考
学習内容 | 学校法人 芸術工芸高等専修学校
7つの専門コース ｜ 学校法人武蔵野東学園 武蔵野東高等専修学校
高等専修学校で学ぶメリット・デメリットとは？
専門的な勉強をしつつ高校卒業資格も取得できる高等専修学校。進学先として検討するときに知っておきたいメリット・デメリットはなんでしょうか。
メリット
最大のメリットは、15歳から専門的な勉強を始められるということです。大人は「職業選択に影響があるから高校くらいは出ておいたほうがいいよ」とアドバイスをしてしまいがちですが、できるだけ早く手に職をつけて働きたいと考えている子供もいます。
高等専修学校を卒業すれば、専門によっては在学中の3年間で国家資格を取得できるものもあり、そのまま就職へとつながりやすいというメリットがあります。
また、高校卒業資格が手に入るので、卒業後の進学にも有利です。専修学校の専門課程や大学などへの「受験資格」が手に入るからです。これは専修学校の一般課程や各種学校にはないメリットです。
デメリット
前述したように、高等専修学校は学校数自体があまり多くありません。また、学ぶ分野によっては全国でも数えるほどしか該当する学校がないこともあります。そのため、普通科高校のように自宅から通学することは難しい地域もあるかもしれません。
また、学費も高校よりは高いと思っていたほうがいいでしょう。高等専修学校は国の就学支援金や自治体の学費補助などの対象にはなりますが、高校に比べると授業料や教材費などの負担が高額になります。学ぶことも専門的なため、普通科高校では発生しないような機材を購入する可能性もあります。事前に3年間の学費負担感についてはしっかり調べておきましょう。
また、高等専修学校では普通科高校に比べて主要5教科の授業時間が少なめになっていることが多い用です。卒業後すぐに就職する場合は特にデメリットに感じないかもしれませんが、卒業後に進学する場合には注意が必要です。特に大学受験の際には、学校の勉強だけでなく追加で受験対策に取り組む必要があるかもしれません。
まとめ
中卒で入学できる専門学校のうち、高等専修学校を詳しく紹介しました。早く専門的な勉強をしたいと思っている子供にも、高校は卒業しておいてほしいと考える親にも、メリットのある専門学校です。子供の学ぶ意欲や家計の負担などを考慮しつつ、進路の候補として検討してみてください。
参考
高等専修学校とは？ | 全国高等専修学校協会
会員校一覧 | 全国高等専修学校協会
高等専修学校とは | 文部科学省
