長文の読解力を養うには?
次に、ここまで解説してきた長文読解のコツを踏まえた上で、読解力を養うための勉強法について見ていきましょう。
最低限の単語を覚える
前述したように、長文問題で分からない単語に出くわした場合には前後の文脈から意味を推測するようにします。ただし、単語力が一定のレベルに達していなければ、登場するほとんどの文の意味が理解できず、前後の文脈すら把握できないという事態が起こりえます。知らない単語を推測できるようになるには、前提条件として前後に登場する単語や文章の意味を理解していることが必要ですから、最低限の単語は覚えておかなければなりません。
本来、単語を覚える際には、日本語で逐語的に意味を覚えるのではなく、英語そのものが持つイメージをつかめるように訓練するのが理想です。ただ、必要最低限の単語を短期間で習得するために市販の単語帳で一気に覚えることも無駄ではありません。その際には、その単語が英文の中でどのような使われ方をしているかが分かる単語帳を選ぶことをおすすめします。
▼豊富な例文の中で英単語を覚えられるDUO 3.0
ある程度基礎的な単語力がついてきたら、英単語を英語のまま理解できるように英英辞典を使ってみることもおすすめです。
基本の文法を覚える
英単語と同じく、基本の文法が理解できていなければ英文をいくら読んだところで読解力の向上は期待できません。文法に自信がない受験生は、長文読解対策と並行して文法の学習に力を入れると良いでしょう。
長文読解に必要となる文法の力は、試験で出題される文法問題の解答力ではなく、文の構造を把握する力となります。特に重要となるのは、以下の3つです。
- 主語(S)と動詞(V)を見つける力
- 文型を見分ける力
- 単語の品詞を予測する力
上の3つの力がしっかりと身についていれば、英文を読む際に行き詰まることも少なくなるはずです。分からない単語が出てきた際に意味を推測する力も身につきます。
英文解釈の力をつける
基礎的な単語力と文法力が身についたら、英文解釈の力を養成しましょう。英文解釈という言葉の定義は曖昧ですが、「正しい文法の知識を用いて英文の構造を分析し、文の意味を確実に理解すること」というような意味で使われるのが一般的です。
取り組み方としては、文章の大意を把握するための速読ではなく、ゆっくりと着実に一文ごとの意味を理解する精読となります。
英文解釈の勉強は、先に紹介した長文読解に必要とされる3つの文法力である「主語と動詞を見つける力」「文型を見分ける力」「単語の品詞を予測する力」を着実に使いこなす練習になります。英文解釈の練習を積み重ねることで複雑な構造をした英文を着実に読解できるようになり、誤読も少なくなるでしょう。また、得点に直結する文章をていねいに読み込む際にも英文解釈の力は必要となります。
音読を習慣づける
基礎的な単語力、文法力に加えて英文解釈の力がついてきたら、英文をたくさん音読しましょう。音読は復習の際に行うとより効果的です。問題集や模試に出題された長文など、一度読み込んで内容を理解した英文を音読することで、一文一文を和訳せず英語のまま理解する力が養われます。
付属のCDなどを使えば、単語の発音の確認やリスニング試験対策にもなるので、総合的な英語力の向上につながります。