SATになるにはどうしたらいい?仕事内容や年収も気になる! - cocoiro career (ココイロ・キャリア) - Page 2

SATに向いている人の特徴

緊急事態や非常事態とも言える状況でその力を発揮する頼もしい部隊のSATですが、SATに向いている人、SAT隊員になれそうなのはどのような人なのでしょうか。

ここでは、SATに向いている人の特徴を確認してみましょう。

高い身体能力と精神力がある

SATが出動する場面は緊急事態や非常事態の場面であるため、当然体力がなければいけません。握力や腹筋、足腰の強さ、走る速さなど、体力面での強靭さが求められます。

SATの隊員として入隊訓練を受けた元特殊部隊隊員の話では、SATは入隊後に6ヶ月の訓練があり、体力テストと称して初日に課せられた種目は以下のようなものでした。

テスト種目は、1日目に握力測定、懸垂、腹筋運動、腕立て伏せ、立ち幅跳び、土のう搬送、砲丸投げなどの他、100m走である。たとえば懸垂は、標準回数は15回だが、前もって知らされておらず、訓練担当小隊長からは「極限までやれ」と言われる。他のテストも同様で、すべて極限までである。心の準備もないまま全力のテストを次々に実施され、1日目のテストが終わった頃にはみな疲労困ぱいだった。

(引用元:警察の特殊急襲部隊SAT入隊のあまりにシビアな試験内容|NEWSポストセブン

かなりの体力を持っている人でなければ乗り越えることは難しそうです。また、銃や爆薬を使用した事件への対処も求められるため、拳銃の使い方にも精通していなければなりません。ただ体力があるだけでなく、その体力を自己管理する能力や精神力も問われます。

冷静な対応がでいる

ハイジャックや爆薬、銃などを使用した事件に立ち向かうSAT隊員には常に冷静な対応が求められます。もしそこでパニックになってしまうと、判断に誤りが出る可能性が高くなりますので、非常事態でも物事を冷静に捉えることはとても重要です。

チームメンバーとの連携が取れる

ハイジャックや立てこもり事件では、SATはチームで連携をとりながら活動しますので、チームメンバーと連携がうまく取れることは任務を成功させるために必須の事項です。

普段から周りの人との関係を良好に保つ能力も必要な素質の一つになります。

SATが出動した主な事件

SATが出動した主な事件にはどのようなものがあるのでしょうか。SATがその存在を広く知られるようになったのは1995年の全日空ハイジャック事件がきっかけです。

それ以外では、どのような場面でSATが活躍したのでしょうか。

全日空857便ハイジャック事件

1995年6月21日、北海道の函館空港で全日空857便(ボーイング747-100SR、JA8146号機)が元銀行員の男によってハイジャックされました。

機内への突入の瞬間はテレビでも放送され、この事件をきっかけとしてSATはその存在を広く知られるようになります。テレビの放送を記憶している方も多いのではないでしょうか。

参考
函館ハイジャック事件の目的,動機が悲しい…犯人,小林三郎53歳UFJ行員が全日空機をハイジャックした理由とは? | 人生波待ち日記

西鉄バスジャック事件

2000年5月13日に発生した、西鉄バス乗っ取り事件(バスジャック事件)です。佐賀バスジャック事件、ネオ麦茶事件とも呼ばれています。

牛刀を持った少年がバスをジャックし、3人を切りつけ、死者も出た事件ですが、バスがサービスエリアに停車中に、突入した特殊部隊員により少年は逮捕されました。

参考
西鉄バスジャック事件 今も被害者に補償という「17歳少年」両親の十字架|デイリー新潮

ルネサンス佐世保散弾銃事件

2007年12月14日、長崎県佐世保市のスポーツクラブ「ルネサンス佐世保」で起こった銃乱射事件です。スポーツクラブの会員の男が施設内で散弾銃を発砲し、男女2人を殺害、6人に重症を負わせました。

事件の直後、犯人は逃走しましたが、その後教会で自殺しています。この事件の際にも長崎県警は緊急配備を行い、福岡県警がSATを出動させています。

参考
佐世保散弾銃乱射11年 犠牲者の冥福祈る|長崎新聞

SATになるために必要な学歴とルート

体力、精神力ともに強靭で、頭脳も明晰なイメージのあるSAT隊員ですが、SATになるには何か特別な学歴は必要なのでしょうか。ここではSATになるために必要な学歴とルートについて確認していきましょう。

まずは高校や大学を卒業しよう

SATは、一般の人の中から公募されるわけではありません。彼らは主に警察の機動隊の中から選ばれた、屈強で強靭な隊員により編成される特殊部隊です。

SATになるためには、警察官採用試験に合格する必要がありますが、警察官は公務員ですので、まずは受験基準を満たすために高校や大学を卒業しましょう。

警察官採用試験を受けよう

高校や大学を卒業するとともに、SATが設置されている8つの都道府県の警察官採用試験を受験して、まずは警察官として就職をするのが正規のルート。SAT隊員は日本県警の警察官で、公務員です。

面接や面談の際には、就職時から機動隊への配属希望の意思を伝えておきましょう。機動隊は警戒や制圧、検挙などの際に活躍しますので、若くて体力のある警察官が中心となって組織されています。

参考
SATになる資格は警察官に採用されてからどうするのか?|あれだって、それだって、これだって

機動隊として勤務希望を出そう

機動隊になるためには、勤務希望を出すか、適性の認められた警察官が配属されるのが一般的です。警察にはさまざまな部署がありますので、必ずしも希望通りの部署に入ることはできないかもしれません。

機動隊は警視庁や各都道府県警察本部の警備部の部隊として位置づけられています。SAT隊員は機動隊員から選抜されますので、SATを目指すのであれば機動隊へ入隊する必要があります。

SATになるための選抜試験を受けよう

希望が通り、無事に機動隊員になることができたら、機動隊員としての任務を遂行しながらSATの選抜試験の機会をうかがう、ということになりそうです。

SATになるための情報は公開されていませんので、あくまでも可能性のあるルートとして機動隊からの入隊を紹介しましたが、SATは警察の中でも選ばれた精鋭による特殊部隊ですので、入隊するには厳しい道のりが待ち受けているのは間違いないでしょう。

試験後の入隊訓練を経てSATへ!

SATの選抜試験を受けて合格したら、入隊訓練の後にSAT隊員になることができます。しかし、SATは極秘部隊のため、顔や個人情報は一切公開されておらず、その隊員であることは家族にも明かすことができないようです。

SATがテレビに映る場面は過去にもありましたが、隊員は顔を隠しているため、個人は特定できません。近年は訓練をする場面が公開されることもありますが、その際も同様に顔は隠しています。

SATになった後も、有事に備えて厳しい訓練が待ち構えています。