高校教師という仕事のやりがいや魅力
授業計画を立て、その計画どおりに授業を進めながら、進路相談にも応じるというたくさんの仕事をこなす必要がある高校教師ですが、非常に根強い人気のある仕事の1つです。そして、専門分野を掘り下げられる、子供の将来に携われるというやりがいや魅力が人気の秘訣です。
専門分野を深く掘り下げられる
小学校の教師とは違い、高校からは1人の教師は1つの教科だけを受け持ちます。そのため、1つの分野を深く掘り下げることができ、自分の得意教科をそのまま仕事に役立てることができます。生徒が理解できる表現に置き換えるという難しさこそあるものの、得意教科に対する知的好奇心を満たせるのが高校教師のやりがいであり、魅力です。
子供の将来に関われる
熱意が求められる仕事ではありますが、将来的に恩師として尊敬される可能性があるのも高校教師の魅力です。将来のことを考え、自分で進路を決めなければならないと考え始めた子供は、期待とともに不安を抱えています。そんな子供の気持ちをしっかりと受け止め、進路に関するアドバイスを行えるのも高校教師の特権です。
高校教師になるために必要な資格
高校教師になるには、1種免許状または専修免許状のいずれかの資格を持っている必要があります。1種免許状はあらかじめ定められている大学の単位を修得し、教育実習を修了することで取得することができます。
また、専修免許状は、大学院まで進み所定の単位を修得するか、1種免許状を取得した後に3年間の学校教員の実務を行い、大学で所定の単位を修得することで取得することができます。
高校教師になるための2つのステップ
ここからは高校教師になるための2つのステップを解説します。教員免許を取得し、教員採用試験に合格するという2つのステップを経ることで、晴れて高校教師としての活動を開始することができますが、その前にどの教科で教員免許を取得するか、どのエリアで教員採用試験に挑戦するかを決めておくことが重要です。
ステップ(1)教員免許を取得する
先ほども触れたように、高校教師になるには教職課程のある学校で教職課程を修了し、高校教員免許を取得する必要があります。高校教師は小学校の教師とは異なり、1つの教科を専門的に教える必要があるため、資格を取得する前の段階でどの教科を選択するかを決めておかなければなりません。
教師となった後に20年や30年といった長いスパンで教え続ける教科となるため、学習し続けられる教科を選択することが重要なポイントです。
ステップ(2)教員採用試験を受ける
教員免許を取得した後に、公立校であれば各都道府県で実施されている教員採用候補者選考試験、私立であれば各高校の教員採用試験を受験します。そして、教員採用試験に合格することができれば、高校教師としてのキャリアをスタートさせることができます。
ただし、採用倍率は約9倍とされ、狭き門と考えておく必要があります。また、都市部の方が採用人数が多いため倍率が低くなり、採用人数が限られている地方の方が倍率が高くなる傾向にあるといった情報も事前に把握しておくことをおすすめします。
高校教師が備えておくべきスキルと将来性
子供たちの人生に重要な決定を促す高校教師には、どのようなスキルが期待されるのでしょうか? また、AIが発展した昨今では、高校教師に求められる能力にも違いが現れ始めているともいわれています。高校教師になるためだけでなく、将来を加味した上で備えておくべきスキルを検討しておくことをおすすめします。
教育に携わる責任感
文部科学省は、ホームページに高校教師が備えておくべきスキルを以下のように記載しています。
優れた教師の条件の第一は、教育的な熱情と真剣さではないでしょうか。いいかげんな姿勢・おざなりな態度で子どもに接しているのでは、教育者として失格です。口先だけきれいごとを言ったり、見かけだけ取り繕ったりするような教師であれば、子どもの方でも卒業すればすぐに忘れ去ってしまうでしょう。
(引用元:優れた教師が備えるべき資質・条件|文部科学省)
高校教師には生徒に専門的な知識を伝授するために必要な知識だけでなく、生徒と向き合う責任感が求められます。高校教師になるための資格だけでなく、真剣に子供たちの将来を考える熱意などの人間性も重要な資質といえます。
保護者とも適切なコミュニケーションを図れる人間力
高校によっても教師に求める資質が異なりますが、これからは保護者とも適切な関係を構築できるようなコミュニケーション能力が求められます。これまでの高校教師には専門性の高い知識を伝達できる能力が求められていましたが、最近ではAIの進歩によって教育の在り方に変化が訪れています。
学力を上げるための学習は生徒が1人でも行えるようになっているため、保護者は子供の将来をしっかりと考えてくれていることを感じられる教師を期待するようになってきています。