AO入試の合格率について
気になるAO入試の合格率ですが、必ずしも一般入試や推薦入試より高いというわけではありません。AO入試では、小論文、面接の他にも書類審査や、グループディスカッションなどが課せられるケースがあり、AO入試へ向けた対策も必要です。AO入試の難易度を決定づける倍率は、有名大学ほど倍率が高くなる傾向にあります。
国公立大学
最近、国立大学が推薦・AO入試による入学者を増やす傾向にあります。東大、京大、阪大などが相次いで導入していますし、国立大学協会は推薦・AO入試による入学者数を定員の30%まで増やす計画を立てています。これは、2020年から本格的に導入される大学入試改革の一環と考えられており、公立大学も推薦・AO入試による入学者を増やす傾向は同じです。ただ、国公立大学のAO入試の場合、センター試験を課すところが多いという特徴があります。
私立大学
私立大学の8割近くがAO入試を実施しています。入学者比率は推薦入学者より少ないですが、AO入試合格者は全体の20%強を占めるまでになっています。推薦入試と違って高校の推薦は必要ありませんが、大学、学部によって求める学生像が違うため、自分をいかにアピールできるかがポイントとなります。
専門学校
専門学校のAO入試は、「成績は決して優秀ではないけれど、なりたい自分の夢をしっかり持っている」受験生にはおすすめです。大学ではAO入試による合格者より一般入試合格者の方が就職率が高いというデータもありますが、専門学校では就職の際、仕事に必要な技術をしっかり身につけていることが重要視されるため、AO入試推薦でしっかりと自分のアピールポイントを伝えることも、後の就職に有利となるかもしれません。
入試の条件について
高校卒業者(卒業見込者)ならだれでも受験できるAO入試もありますが、一般的には何らかの受験資格が定められています。AO入試は、学校ごとに受験条件が異なるため、オープンキャンパスに参加したり、パンフレットを取り寄せたりして個別に確認する必要があります。
最近では、文科省からAO入試受験者の学力を把握するよう指導が行われているため、学力に関する条件も加わる傾向があります。成績が一定レベル以上であることや、部活動等の課外活動で何かしらの成果を上げていること、といった条件が加わる場合もあります。
AO入試は併願も可能?
AO入試は、原則併願は認められていません。というのは、AO入試では、特定の大学への受験者の思いや入学する意欲が選抜基準の1つになっているわけですから、専願がほとんどです。ただ、AO入試に併願を認めている大学も稀にあるため、志望する大学の受験情報をしっかり確認しましょう。
浪人生でも受けられる?
AO入試は学校長の推薦状が不要のため、浪人生も受けることができます。AO入試は、人物を評価するわけですから、活動実績やその学校で学びたいという明確な意思があれば、浪人生でもAO入試を受けることができます。
評定平均について
AO入試は、意欲がさえあれば入れると思う方もいるかもしれませんが、評価の対象には学校の成績(評定平均)も当然含まれています。
高校1年~高校3年の1学期までの成績の平均値である「評定平均」と、志望する大学のレベルに差があることを防ぐため、最近では評定平均を出願資格とする大学が多くなっています。自分の評定平均を出願する際の1つの目安として考えてみましょう。