脚本家になるルートとは
脚本家を目指すために、必要な学歴や資格、年齢はありません。特定のルートもあるわけではないので、ここでいくつかルートをご紹介します。
シナリオスクールに通う
「脚本家のいろはも、何も分からない」という方であれば、まずシナリオスクールに通うことをおすすめします。シナリオスクールで脚本の基礎を学び、脚本の質を評価してもらえます。
シナリオスクールそのものは、カルチャーセンターや大学、専門学校などさまざまな場所で通えます。シナリオスクールの講師には、現役の脚本家や出版社、テレビ関係者もいるため、就職に有利に働く可能性もゼロではありません。脚本を書ければ、認められて推薦され、学校内で表彰され、自分から売り込まずに仕事をできる可能性もあるでしょう。
例えば、日本脚本家連盟ライターズスクールの脚本家コースでは毎週1回、昼の部に加えて夜の部も展開。他に仕事を持っている人でも通いやすくしています。
公募・コンクール
世の中で行われているシナリオコンクールや公募に応募するのも一つの手段です。テレビ局の主催するものであれば、高額の賞金がつくこともあります。脚本がすぐれていれば、審査員や関係者の目に留まって、仕事を依頼されることもあるでしょう。コンクールや公募をうまく活用して、脚本を「書ける」ことをアピールしてはいかがでしょうか。
坂本裕二さんの「東京ラブストーリー」や吉沢良太さんの「ALWAYS 三丁目の夕日」などは、公募やコンクールから発掘されたストーリーです。
関連業務に携わる
脚本家や監督は、常にさまざまなスタッフと一緒に撮影を行っています。カメラマンやメイキャップ、プロデューサー、道具係、スタントマン、アシスタントディレクターなどの協力があってこそ、番組は成り立ちます。
こういった仕事に就いて、プロデューサーに脚本を読んでもらう機会を得て、うまくアピールできれば脚本家としてのステップを踏めるかもしれません。遊川和彦さんの「家政婦のミタ」は、そういったパイプを活かして世に出た作品でした。
このようにさまざまなアプローチがありますが、いずれのルートにも共通するのは、素晴らしい脚本を生み出す力が大前提という点です。脚本が優れていなければ、そもそも目にも留めてもらえないかもしれません。いずれにせよ、厳しい世界ではあるでしょう。
脚本家に必要な素質とは
会話への探求心
脚本上の進行は、登場人物同士の会話で展開します。その会話が単調か、予想のつかないくらい面白いのかで、聴衆が引き込まれるかどうかが決まってくるでしょう。登場人物のキャラクターを活かしたセリフ、登場人物の組み合わせなども、おもしろさを二分する要素になるようです。
そのため、聴衆の心を捉えられるような会話とは何かを常日頃から研究しておく必要があります。いろんな立場や特性を持つ人たちとコミュニケーションを取り、どんな会話をしているか積極的に盗んでいく必要があるでしょう。
物語の構成力
単に長いだけの脚本を作っても、途中で聴衆は飽きてしまいます。また、脚本家は原作を元に、映画やテレビ番組用にストーリーの再構成を求められることもあるようです。
この時に必要なのが、構成力です。再構成しながら、おもしろおかしくストーリーを展開して、聴衆を飽きさせない仕掛けをつくる構成力を求められます。プロの脚本家がどういった構成を行っているのかを真似することで磨かれていくかもしれません。
責任感
脚本家は、締め切りに追われることの多い仕事です。時には朝から晩まで脚本を書き、時には徹夜をしてでも書ききるという責任感を持っておかねばなりません。締め切りだけではなく、脚本を書く上での書式ルールもあるでしょう。そのルールは、映画、テレビ、舞台、ゲームなど媒体によって異なります。そのルールを押さえた上で、求められている脚本を仕上げていきましょう。