経済学部編入のためにクリアするべき3つのハードル
経済学部への編入には3つのメリットがありますが、具体的にどのくらいの基準をクリアしておくべきなのでしょうか?
実は一般的な大学受験と異なり、編入試験には偏差値という概念が用いられていないため、志望する子供とその親が対策を立てられないという状態に追い込まれてしまうケースが少なくありません。ここからは、経済学部への編入を実現するためにクリアしておくべき3つのハードルを分かりやすく解説します。
編入前から知識を問われる専門
編入試験における専門では、次のような問題が多く出題される傾向にあります。
- ミクロ経済学の限界効用や無差別曲線などの専門用語や概念、効用関数の最適消費量などの簡単な計算問題
- マクロ経済学のGNPや三面等価などの専門用語や概念、国民所得と利子率の計算などの簡単な計算問題
経済学に触れたことのない子供や親の多くは、「専門性が高い」と感じてしまいがちですが、経済学の参考書に登場する初歩的な問題です。そのため、大学1・2年生からしっかりと学んでおけばで十分な対策になるとされています。
グローバルな人材になるための英語
難しいと感じられることの多い専門ですが、長い対策が求められるのが英語です。一部の大学ではTOEICのスコアを事前に提出することが決められているなど、グローバルに活躍する人材を求める傾向が年々強くなっています。また、TOEICのスコアの提出までは求められないものの、専門用語のヒアリングや和訳が数多く出題されます。
英単語や熟語の暗記であれば短期間で補うことができますが、ヒアリングや和訳はもともとのベースが必要となるため、専門の問題よりも計画的な対策が求められるのです。
ロジカルな思考が問われる小論文
「専門と同じ対策で十分」と思われがちですが、実は知識だけでは不十分なのが小論文です。
小論文は経済学の基本的な単語の意味を理解できれば、書き上げられると言われていますが、難関大学の問題は根拠を明確にした上で自分の主張をする力を問われます。独自の視点で新たな問題を提起する力と、その問題を根拠を明確にして展開する能力の2つを事前に高めておく必要があるのです。
ハードルをクリアするためのポイントとは?
専門と英語、小論文の3つのハードルをクリアすることで、ほとんどの大学の経済学部への編入を実現することができます。しかし、編入したい大学が決まっていても、「どのくらいの時期からどのような対策をしておくべきかが分からない」という疑問を抱きながら受験までの期間を過ごしてしまいがちです。
ここからは実際に経済学部への編入を目指す子供とその親に向けて、専門と英語、小論文の3つのハードルをクリアするためのポイントを解説していきます。
1年生は情報収集と英語を徹底しよう
大学3年生の編入試験までに1番最初に始めるべきなのが、英語の対策です。先述のように、編入試験の英語はTOEICのスコアが求められる、専門用語の和訳が出題されるなど、高い基礎力が必須となります。また、リスニングや和訳といった英語の土台が問われるケースも多く、短くても1年以上の準備期間を設けておくべきでしょう。
2年生から小論文と専門対策をスタート
大学2年生からは小論文と専門対策を、英語への対策に追加することになります。もちろん、大学の授業などで経済学のベースを形成しておく必要がありますが、小論文と専門への対策はおおよそ1年ほどで間に合うと考えられています。
ただし、小論文の対策にはコツがいることも把握しておきましょう。特に難関大学の編入試験には現在の経済に関するトピックスから問題提起をし、独自性と根拠のある問題解決方法を記述する必要があるため、対策には第三者の意見が必要になります。受験対策には1人でコツコツ行うものというイメージがありますが、小論文には添削してもらうという工夫が必要と言えます。
ラスト3ヶ月は過去問を繰り返そう
受験を間近に控えたラスト3ヶ月は、ひたすら過去問を繰り返す時間に充てることをおすすめします。
センター試験で問われる能力が基礎力だとすれば、編入試験では応用力が問われます。特に私立大学では、知識があっても初見では解くことができないような問題が出題されるため、過去問を繰り返すことが効率的な方法となるのです。