編集者の業務内容
編集者の業務内容は雑誌や書籍による違いもありますが、ほとんどの工程に携わります。編集者の業務内容を順に見ていきましょう。
出版物の企画
月刊誌でも週刊誌でも、書籍でもまずは企画を立ちあげることから始めます。企画なしでは雑誌や書籍は発行できません。編集者が企画を発案することもありますし、社内から企画を募ることもあります。
出版物の制作スケジュール作成・調整
企画が決まると今度は、それをカタチにするためにライターやカメラマン、デザイナーなどと連携して動き出します。出版するにも予算がありますので、予算決めや調整も編集者の仕事です。取材が必要な場合は取材を行いますし、それに基づき記事を書き編集もしなければいけません。
納期は決まっていますから、それに間に合わせるのも編集者の腕の見せどころです。記事が完成したらデザインや構成を決め、原稿のチェックまですべてに携わります。
作家との交渉・作品制作のサポート
書籍の場合は作家が執筆しないと発行できませんから、編集者は作家との交渉を行います。作家が作品をスムーズに作れるよう、制作のサポートをすることもあります。
新人発掘・育成
マンガの編集者は、編集者としての一般的な仕事の他に、新人発掘なども行います。発掘するといっても適当に探すのではなく、コンテストやイベントを行いそこに応募してきた新人の中から探します。
書籍でもコンテストに応募する新人はたくさんいますので、そのなかから賞の受賞者や才能のある人を発掘します。発掘してもそのままでは使い物にならないので、新人育成も行います。編集者が発掘し育成した新人は、その後大化けすることもあります。大抵の場合は、新人時代から担当している編集者がずっと担当するので、作家との絆も生まれます。
編集者に向いているタイプとは
雑誌や書籍の編集をする仕事なので、文章力に長けていれば務まりそうなイメージですが実際は少し違います。編集者に必要なのは、企画力やコーディネート力、リーダーシップ、コミュニケーション力などです。
雑誌や書籍は編集者が1人で作るものではありません。いろんな人が携わり1つの作品にするのでチームワークとなります。編集者に向いているタイプを詳しく見ていきましょう。
企画・コーディネート力がある
雑誌や書籍を出版するにあたり、企画やコーディネートは最も重要と言ってもいいでしょう。面白くない企画は出版しても買ってもらえません。本を出版するにもお金が掛かりますので、つまらない企画ではそれを回収できなくなってしまいます。
いま世の中の人が何を求めているか、何を知りたがっているのかを理解して企画やコーディネートできる人は編集者に向いています。リサーチ力などもあると尚いいでしょう。考えるときは普通の考え方だと面白みのある企画になりませんので、少し人と違った見方ができる人も編集者向きと言えます。
人と違うことを考えたり見たりできると、それを本として出版したとき意外性があります。なんだろう? と興味を持たれるような企画を立ち上げ、それをコーディネートする力が求められます。
リーダーシップがある
雑誌や本を出版するには、企画から出版までいろんな工程があり、そこには大勢の人が携わります。編集者のほかには、カメラマンやライター、校閲や校正スタッフ、デザイナーやコーディネーター、取材クルーや作家までいろんな人が関わっています。
編集者はそういうすべての人をまとめる役目もあります。コミュニケーション力はもちろんですが、みなをまとめ引っ張っていくリーダーシップが必要です。各工程に携わるスタッフ同士できちんとコミュニケーションができていると、作業の流れもスムーズです。皆をきちんとまとめられることも編集者には大切なのです。
コミュニケーション能力が高い
編集者はスタッフ以外にも取材先で初めて会う人に話を聞くことが多いです。チーム内を上手くまとめるにはリーダーシップも欠かせませんが、編集者にコミュニケーション力がないと、違う部署同士の連携が取れなくなってしまいます。これでは納期に間に合わない可能性も出てきます。そんなことになったら本末転倒です。
編集者は皆をまとめる役目もありますので、コミュニケーション力がない人には難しい仕事になってしまう可能性があります。雑誌や本を作るにはいろんな人が関わっていますが、ときに無理なお願いをしなければいけないこともあります。普段からきちんとコミュニケーションを取り、信頼関係をきずいておけば困ったときに助けてくれる人も多いです。