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心理学を教育の視点で応用したものが教育心理学と言われますが、いまいちピンとこない方も多いのではないでしょうか? 今回の記事では、教育心理学の主なテーマや研究者を解説していき、教育心理学を分かりやすくご紹介します。また、教育心理学を学ぶことができる大学も地域別にご紹介していますので、興味のある方は参考にしてください!
もくじ
教育心理学とは?
教育心理学は、子供の精神の発達や知能の発達、人格形成などを心理学の手法を使って科学的に考え、実際に教育や生活の場で活用するものです。
具体的には、子供が発達する段階でどのような特徴があるのかを乳幼児期、児童期、青年期に分けて探求したり、効果的な教育方法を見つけ出すために学習理論や動機づけなどを考えていきます。
例えば、教師の期待によって学習者の成績が向上することがあるというピグマリオン効果は、教育心理学の中で定義される心理的行動の1つです。これは、大きな期待を持つことが大前提とされるコーチングなどでも活用されている考え方です。
また、内発的動機付けや外発的動機付けに分けられる動機付けの考え方も教育心理学の分野です。動機付けをするには、褒めることが効果的とされており、子供の行動に対してどのように褒めるかや、どんな表情をするのか確かめることも、発達を促すための方法とされています。
教育心理学の主なテーマ
教育心理学のテーマは幅広く、成長・発達・学習・人格・適応・評価・学級・教師と児童の関係などがあります。東京大学の修士論文のテーマをいくつか見てみましょう。
- 英語学習における動機と方略が自己効力感に与える影響
- 思いやり的嘘の発達
- 意見産出につながる文章読解指導
- 幼少期の子どもに対する親の対他的感情制御方略の個人差要因と発達的影響の検討
- 文章による障害者への態度変容の検討
- 芸術鑑賞の認知メカニズム
- 良い評価が子どもの行動のコントロールに及ぼす効果
- 「人気者」と知覚される個人における攻撃行動といじめとの関連
- 親の期待と子どもの心理的自立の関係
(引用元:教育心理学コース 修士論文のテーマ|東京大学)
テーマを見ても分かるように、教師の指導方法や評価の方法、子供個人の発達、さらには友達や親や教師などの大人との関係性もテーマになっています。
教育心理学の研究者
教育心理学の専門家で、教育心理学を学ぶ際には必ずと言っていいほど名前が挙がる研究者をご紹介します。
アルフレッド・ビネー
19世紀から20世紀を生きたフランスの心理学者で、フランス政府の要請で知能検査を創案した人物です。精神医学を大学で学び、のちに動物心理学、異常心理学、思考心理学を研究します。
ビネーは、知能を外界を全体として再構成するための認知能力としました。その知能を客観的に測定するためのものが、ビネー式知能検査です。これは、知能指数(IQ)という考え方が出てくる前のことで、精神の発達の早さには個人差があると考え「精神年齢」という考え方が盛り込まれています。
参考
ジョン・デューイ
19世紀から20世紀を生きたアメリカ合衆国の哲学者で、著書の『学校と社会』は教育関係者の中ではあまりにも有名です。
デューイは、弱冠30歳にして哲学・心理学・教育学の大学教授に就任します。そして、実験学校(laboratory school)を創設します。最初は、生徒16人からのスタートでしたが、3年後には生徒83人にまで増え、食堂付きの校舎まで完成します。このときの記録をまとめたものが『学校と社会』です。
デューイは、従来の一斉画一の教授法に対して批判的で、子供の自発性を重視していました。これは、問題解決学習と言われ、現在でも注目されている教育理論です。
参考
エドワード・ソーンダイク
ジョン・デューイとほとんど同じ時代を生きたアメリカ合衆国の心理学者・教育学者です。動物の実験を通して、動物の行動は見通しを持って行われているのではなく、試行錯誤に過ぎないという試行錯誤説を提唱します。これは、行動主義心理学の考え方の基盤となるオペラント条件付けに影響を与えます。
また、満足をもたらす反応は結合を強くし、起こりやすくなるといった効果の法則などを説明しました。1903年に『教育心理学』を刊行します。教育評価の父としても知られています。
参考