チューリッヒ工科大学は、アメリカ・イギリス以外の大学では、世界大学ランキング最上位に位置します。アインシュタインも卒業しており、多くのノーベル賞受賞者を輩出した大学です。今回の記事では、チューリッヒ工科大学がどのような大学なのか、世界大学ランキングや著名な卒業生、特色をご紹介しながら解説します。チューリッヒ工科大学を知る第一歩になれば幸いです。
もくじ
チューリッヒ工科大学の概要
チューリッヒ工科大学は、スイス連邦下にある国立大学です。1855年に創設されて以来、21人のノーベル賞受賞者を輩出し、世界大学ランキングでも高い評価を得ています。
学べる分野は、建築・土木工学、自然科学・数学、システム自然科学、工学、人文科学・社会科学・政治学で、学部生の授業はドイツ語で行われます。また、キャンパスはチューリッヒ市街地と郊外のヘンガーベルクの2ヶ所です。大学紹介の100秒の公式動画と、ラップに乗せて大学のことを紹介している公式動画があるので参考にご覧ください。
参考
Study at ETH and become a real Master!｜YouTube
世界大学ランキングから見る評価
チューリッヒ工科大学は、世界大学ランキングで高い評価を受けています。TIMES HIGHER EDUCATION（THE）では2011～2020年まで9～15位の間にランクしています。また、Quacquarelli Symondsでは、2012年の13位から順調に評価を上げ続け、2020年では6位まで上がってきています。そして、学術的な成果を重視するAcademic Ranking of World Universitiesでも近年上昇傾向にあり、2016年以降は19位をキープしています。
| ランキング | チューリッヒ工科大学 | 東京大学（参考） |
| TIMES HIGHER EDUCATION | 13位 | 36位 |
| Quacquarelli Symonds | 6位 | 22位 |
| Academic Ranking of World Universities | 19位 | 25位 |
参考
World University Rankings 2020｜Times Higher Education (THE)
Top Universities in the World 2020 | Top Universities
Academic Ranking of World Universities 2019｜shanghairanking
著名な卒業生
チューリッヒ工科大学には、世界的に有名な卒業生がいます。第1回ノーベル物理学賞を受賞したヴィルヘルム・レントゲンや相対性理論で有名なアルベルト・アインシュタインとその最初の妻であるミレヴァ・マリッチなどが挙げられます。
| 名前（敬称略） | 職業・肩書 |
| ヴィルヘルム・レントゲン | 物理学者、ノーベル物理学賞受賞 |
| アルベルト・アインシュタイン | 物理学者、ノーベル物理学賞受賞 |
| カール・アレクサンダー・ミュラー | 物理学者、ノーベル物理学賞受賞 |
| ニクラウス・ヴィルト | 計算機科学者、いくつかのプログラミング言語を開発 |
| サンティアゴ・カラトラバ | 建築家、アテネオリンピックスタジアムを手がける |
| カルロス・クライバー | 指揮者 |
| シモン・アマン | スキージャンプ選手 |
| ヴェルナー・アーバー | 微生物学者・遺伝子学者、ノーベル生理学・医学賞受賞 |
| クラウス・シュワブ | 経済学者、ビジネスマン |
（チューリッヒ工科大学｜Wikipediaより筆者作成）
チューリッヒ工科大学の3つの特色
チューリッヒ工科大学は、ノーベル賞受賞者を多数輩出するレベルの高さから、世界中の学生や教員を惹き付けています。また、持続可能な社会への取り組みも研究や教育、キャンパス内で積極的に行っています。
ノーベル賞学者を多数輩出
チューリッヒ工科大学は、ノーベル化学賞、物理学賞、生理学・医学賞受賞者を輩出しています（在籍した学生、教授、研究員を含む）。世界の大学の中では、23番目に多い受賞者数です。また、ノーベル化学賞については、世界で8番目に多い17人の受賞者を輩出しています。ちなみに、日本の大学では、京都大学の19人が最多です。
| 分野 | 受賞人数 |
| ノーベル化学賞 | 17人 |
| ノーベル物理学賞 | 11人 |
| ノーベル生理学・医学賞 | 4人 |
| ノーベル経済学賞 | 0人 |
| ノーベル文学賞 | 0人 |
| ノーベル平和賞 | 0人 |
参考
Nobel Prize laureates｜ETH Zurich
留学生の比率が高い
チューリッヒ工科大学には、学部生約9,500人を含めた2万1千人以上の学生が在籍しています。学生の出身国は120ヶ国にもおよび、2012年時点の留学生比率は37%です。また、外国人教員比率は67%と高く、世界中の学生と教員を惹き付けていることが分かります。
参考
東工大のパートナー大学 スイス連邦工科大学チューリッヒ校｜東京工業大学
持続可能な社会への取り組み
SDGs（Sustainable Development Goals）という言葉を耳にするようになって久しいですが、国連サミットで採択された持続可能な開発は、いまを生きるすべての人たちにとって重要なテーマです。
チューリッヒ工科大学では、持続可能な社会への取り組みを「研究」「教育」「キャンパス内」で積極的に行っています。研究分野では、未来の都市やエネルギー、世界の食糧システム、気候変動などさまざまな課題に取り組んでいます。
キャンパス内でも、エネルギーを節約する取り組みを行い、2006年から2018年まで毎年エネルギーの節約を実現しています。また、ごみのリサイクルにも取り組んでいます。
参考
