2歳の子供の身長を伸ばす具体的な方法は?
身長を伸ばすために必要なのが、栄養を摂るための「食事」、成長ホルモンの分泌を促す「睡眠」、食欲と睡眠欲を促し成長ホルモンの分泌も助ける適度な「運動」であることをご説明しました。
続いて、それらの3大原則を踏まえて、2歳児の身長を伸ばすためにやっておきたい具体的な対策についてご説明します。
下記参考に、2歳児の体の成長と心の発達の特徴が書かれていますのでご覧になってください。ただし、下記参考内にもあるように、成長と発達には個人差があります。自分の子ができないから遅れていると考える必要はありません。
参考
お母さんと子どものコミュニケーションのために|厚生労働科学研究(子ども家庭総合研究)
【食育】なぜ?の質問に答えながら食事への興味を誘おう
2歳児は食事を1人でできるようになる年齢です。食事の時間に座っていられるようになります。またスプーン・フォークを自分で使おうとし始め、汚れたら手を1人で拭くこともできるようになります。
しかし、食事への興味がない子の場合は、食事の時間が楽しくないので座りません。また、スプーンなどを使わずに手づかみで、汚れても気にしないという子もまだ多くいる時期でもあります。
そんなときは、絵本や紙芝居、アニメに出てきた食べ物のキャラクターに興味を持たせてみましょう。会話ができる子供の場合はなんでも質問してくるので、食事が楽しくなるような答えを用意しておくのがおすすめです。
個人差がありますが、2歳になると相手の目を見て話すこと、聞くことができる時期でもあるので、保護者の声かけが食事への興味を引くものであるように心がけましょう。
参考
2歳の子供がご飯を食べないときはこの対応を。モリモリ食べるようになるよ!|旦那という生き物。
食に興味がない二歳児、どうしたら食に興味を持ってくれますか?|Yahoo!知恵袋
【眠育】イヤイヤ期の生活リズムは親子で一緒に整えよう
「魔の2歳児」といわれるように、2歳前後になると何をするにも嫌がる時期がきます。第1次反抗期といわれることもありますが、保護者への反抗ではありません。乳幼児期の教育・保育・子育て支援を専門とする、玉川大学大学院教授大豆生田啓友先生は、下記のように述べています。
「自分でやりたい」という自我が育ちながらも、自力ではやり遂げられず、おうちの方に先回りをされてしまう。その葛藤をイヤイヤという形で表現しているのです。脳科学的にとらえれば、この時期の子どもは脳の中で感情をつかさどる前頭前野が未発達なので、気持ちをおさえることが難しい時期。イヤイヤをしながら、どうすれば自分の気持ちをコントロールできるかを学んでいる時期なのです。
(引用元:2歳、3歳、イヤイヤ期の対応は? 保育士も実践する基本の3ステップ|HugKum)
発育過程での葛藤から起こるイヤイヤ期の2歳児との接し方で最も大切なことは、子供の気持ちを受け止めることです。そのため、イヤイヤ期の生活リズムは、子供の気持ちに寄り添いながらもできるだけよく食べよく遊ぶ時間がつくれるように整えていきましょう。
寝る子は育つといいます。夜よく眠らせるには、日中体を動かすことや、子供が眠る時間の前から眠る準備を一緒に付き合い絵本を読んで一緒に布団に入るなどのルーティンを徐々につくっていくことが大切です。
参考
健康づくりのための睡眠指針 2014(平成26年3月)|厚生労働省健康局
【体育】アップする運動能力を外遊びで伸ばそう
2歳児の大きな特徴は、運動能力が飛躍的に発達することと、お友達に興味を持ち始めることです。そのため、身長を伸ばすための適度な運動として、天気の良い日に公園などで外遊びをしてみましょう。
子供の発育は個人差があるので、ほかの子ができてうちの子はできない、という比較をしながら外で遊んではいけません。この前できなかったことが今日はできるようになった、というように子供個人の成長に気づいてあげることが肝要です。
親が子供の「やればできる」という自己効力感を育てるための大切なことについて、2015年のベネッセ教育総合研究所によるレポートには次のように書かれています。
子どもが成功体験を積み重ねられるように、日々子どもに寄り添う保護者が配慮したり、小さなことでもほめたり、壁にぶつかったときには励ましたり、信じているのだと伝えたり、任せるべき場面では任せて「決定経験」を積み重ねたりすることで子どもの自己効力感を育てていく、保護者側の意識も大切であろう。
(引用元:小中学生の学びに関する調査報告書(2015)研究レポート5 自己効力感が高い小・中学生はどのような子どもか|ベネッセ教育総合研究所)
つまり、親の寄り添い方次第で、子供の自己効力感を育て、やればできると自分を信じる心が育ちます。ぜひ子供が外遊びをする際は、子供のできることが1つ1つ増えるように寄り添い見守ってください。
参考
2歳児の外遊びはどんな遊びがいい?子どもが夢中になるおもちゃと遊びの工夫|KIDSNA
低身長が疑われる場合は早期受診しよう
2歳児が身体発育の数値が平均よりも極端に低い場合、乳幼児期の健診で医師から指摘されることがあります。乳幼児健診前に我が子の身長が正常か心配になる場合は、下記サイトをご利用いただくと、低身長かどうかを自宅で簡単に調べることができます。
かんたん、一目でわかる低身長チェック|子供の低身長を考える成長相談室
低身長は成長ホルモンの分泌不全などの疾患が原因である可能性があるため、心配があったり乳幼児健診で医師から指摘を受けた場合は、低身長の専門医師に相談するようにしましょう。低身長の原因が成長障害である場合、治療が可能です。
成長障害、低身長、成長曲線、成長ホルモン療法の情報サイトでは、低身長の子供が早期に治療を開始する必要性について次のように説明しています。
身長が伸びるのは骨が成熟するまでの間であり、そのため成長ホルモン治療による効果が期待できるのも男子で17歳、女子で15歳くらいまでとされています。
治療の開始は専門医による診断によってなされますが、受診にいたるまでの期間を短くすることも早期発見・早期治療につながります。
(引用元:身長が低い病気ってなに?|子供の低身長を考える成長相談室)
低身長の原因によって治療方法は異なりますが、早く治療を開始すれば、骨が成熟するまでの期間内に、標準身長に近づく可能性が高くなるのです。
そのため、乳幼児期の健診で医師から受診を勧奨された場合は必ず受診するようにし、定期的に検査を受けましょう。
まとめ/健康に育つということは個々の総合的評価で決まる
子供が小さいうちは、病院を受診する際だけでなく、普段の生活でも母子手帳を頼りに子供の発育について調べる保護者は多いことでしょう。特に身体発育曲線の項目は、我が子の体の成長が正常であるかどうかの目安になります。
しかし、身体発育曲線が保護者の不安をあおる場合もあるのです。厚生労働省の身体発育評価マニュアルには次のように書かれています。
身体発育は、数字というはっきりしたもので表されるため、標準値や他児との比較、増加程度をどうしても意識してしまいがちです。子どもの身体発育や栄養状態に自信を持てない保護者も多くいます。
(引用元::平成24年3月 乳幼児身体発育評価マニュル|平成23年度厚生労働科学研究費補助金(成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業),P14)
同評価マニュアルで、昭和35年度乳幼児身体発育調査結果をとりまとめた報告において国立公衆衛生院の船川氏の意見を紹介しています。
健康に育つということは、それぞれのもって生まれた生きる力が妨げられることなく、存分に発揮できる恵まれた環境にあってはじめて実現されるもので、ただ一時的なみかけや、一部分の観察だけでは正しい評価はできない。
(引用元::平成24年3月 乳幼児身体発育評価マニュアル|平成23年度厚生労働科学研究費補助金(成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業),P7)
子供の発育の仕方には個人差があります。在胎期・出生時の体格や遺伝、育児環境などさまざまな影響を受けて子供たちは育っていきます。そのため、一過的な観察では健康な発育かどうかを判断できないのです。
2歳は、長い人生の中でまだまだ成長の可能性を多く内に秘めている年齢です。そのため、2歳児の中で大きいから安心、小さいから不安と判断することはできません。健全な発育ができる環境を整え、今後の発育過程がどのようであるか、ということによく注意することが肝心です。
参考
平成24年3月 乳幼児身体発育評価マニュアル|平成23年度厚生労働科学研究費補助金(成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業)
2歳は運動神経を伸ばすのに最適な年齢! たくさん遊んで伸ばそう!|ウーマンエキサイト
2歳、3歳、イヤイヤ期の対応は?保育士も実践する基本の3ステップ|HugKum
小中学生の学びに関する調査報告書(2015)研究レポート5 自己効力感が高い小・中学生はどのような子どもか|ベネッセ教育総合研究所