水遊びに潜む危険についても知っておこう
水遊びで起こりやすい事故は
独立行政法人日本スポーツ振興センターの学校事故事例検索データベースで、水泳中に起こった死亡・障害事故を調べてみると、次のような件数になりました(平成20~29年、保育園・幼稚園、小学校、中学校で発生した事故)。死亡事故のほとんどは、プール活動中に溺れることで起きているのです。
・溺死:6件 ・突然死:2件 ・障害(怪我・意識障害・呼吸障害など):33件 |
事故を起こさないための安全対策
2011年に神奈川県の幼稚園で起こったプール事故を契機に、行政機関は事故防止に向けて、さまざまな取り組みをスタートさせました。2016年に内閣府が作成したガイドラインでは、空白のない万全な監視体制を取り監視者は監視に専念すること、十分な監視体制を確保できない時は活動の中止も検討すべきことなどを強調しています。
また2018年、スポーツ庁はプールの安全管理の指針として『プールの安全標準指針』(2007年文部科学省・国道交通省策定)を再度通知しました。そこでは、管理体制を整備し監視員を適切に配置すること、施設の点検整備、特に特に重大事故の起こりやすい排(環)水溝が堅固に固定されていることを確認すること、利用者へは危険箇所や注意・禁止事項などの情報提供を行うことなどが挙げられています。
参考
消費者安全調査委員会(平成30年4月24日)『教育・保育施設等におけるプール活動・水遊びに関する実態調査』
内閣府(平成28年3月)『教育・保育施設等における事故防止及び 事故発生時の対応のためのガイドライン【事故防止のための取組み】』
スポーツ庁次長(平成30年4月27日)『水泳等の事故防止について(通知)』
施設を利用する際に確認しておきたいこと
それらガイドラインや指針から、プールなどの施設の安全管理においては、
①監視体制
②危険な箇所、特に排(環)水溝の整備 |
が重要であることが分かります。
施設を利用する際は、最初に監視員の配置と排(環)水溝の位置を確認しておきましょう。子供にも、緊急時には誰に助けを求めたらよいかや、排(環)水溝付近で遊ぶと手や足を吸い込まれたりして危険なことなどを教えておきましょう。
親の行うべき子供の安全管理
そのほか、水遊びの際に親が気を付けておきたいことを以下に挙げます。
水遊び前に水温や水深をチェック
水遊びの前に、使用するプールなどの水温や水深をチェックしましょう。プールなど水温の適温は、23℃~28℃程度です。気温との兼ね合いも考えて判断しましょう。また、特に幼児の場合は水深の確認も忘れずに。危険のない浅さかどうか、対象年齢なども併せて確認しておきましょう。
参考
文部科学省(平成26年3月)学校体育実技指導資料第4集『水泳指導の手引(三訂版)』)第4章 水泳指導と安全, 第3節 施設・設備の安全管理
公益財団法人日本水泳連盟『プール公認規則』(2018.4.1施行)
紫外線・熱中症対策、休憩と水分補給をしっかりと
暑い時は、熱中症や脱水のリスクも上がります。休憩を適宜取って、水分補給をしっかり行いましょう。野外の場合は、帽子や日焼け止めなど紫外線対策も忘れずに。
水遊びが終わったら手洗いとシャワー
プールは基準を設けて水質管理をしていますが、公園のじゃぶじゃぶ池や噴水など野外の親水施設の場合は、塩素消毒をしていても清潔さに限界はあるものです。顔を浸けたり口に入れたりはせず、水遊びの後には手洗いとシャワーで洗い流しましょう。
まとめ
ご紹介した施設以外にも、自分の暮らす自治体のホームページなどで調べてみると、水遊びのできる公園や公営プールは身近にたくさんあります。また、水辺空間を備えたキャンプ場や総合公園、アウトドア活動のできるロケーションなどは、関東6県の自然豊かな地域に多い様子。安全対策に気を配りつつ、この夏を家族で楽しんでください。
参考
消費者安全調査委員会(平成30年4月24日)『教育・保育施設等におけるプール活動・水遊びに関する実態調査』
内閣府(平成28年3月)『教育・保育施設等における事故防止及び 事故発生時の対応のためのガイドライン【事故防止のための取組み】』
スポーツ庁次長(平成30年4月27日)『水泳等の事故防止について(通知)』
文部科学省(平成26年3月)学校体育実技指導資料第4集『水泳指導の手引(三訂版)』)第4章 水泳指導と安全, 第3節 施設・設備の安全管理
公益財団法人日本水泳連盟『プール公認規則』(2018.4.1施行)
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