子供が小学校に入学する際、共働きの家庭にとって必要になるのが「学童保育」の存在です。最近では待機児童や認可外保育園の問題と一緒に話題として取り上げられることの多い学童保育ですが、今回は、子供を学童保育に預ける際に知っておきたい情報についてまとめました。
もくじ
共働き家庭やワーママを支える、学童保育とはどんなもの?
学童保育は「放課後児童クラブ」などとも呼ばれ、共働き家庭で昼間に親がいない小学生が、放課後や夏休みなどの長期休暇の際に通う施設を指します。
各市町村によって入りやすい学童と、なかなか入るのが難しい学童に別れており、やはり都心を中心とする人口密集地では学童に入るにも厳しい審査があります。例えば正社員として両親が共働きで働く家庭と、子供が帰宅するギリギリまでのパート短時間勤務をしている家庭では、前者の方が優先的に学童に入れてもらえるようです。また保育園同様、片親や、病気などにより子供の放課後の養育が難しい家庭でも優先的に入ることができます。
さらに近年では学童保育の待機児童問題もメディアでよく取り上げられており、全国学童保育連絡協議会の調査によると、2017年5月1日時点の学童保育の待機児童は1万6832人と、過去最高だったといいます。この問題に対し国も受け皿確保の取り組みを進めていますが、未だに改善されておらず、共働き家庭には厳しい状態が続いているのが現状です。
料金や預かり時間、申込方法について
料金
学童保育を利用する際に一番に気になるのが「料金」です。
厚生労働省によって行われた平成26年の地域児童福祉事業等調査によると、利用料金が必要な学童保育の費用分布では、以下のような結果が出ています。
出典:平成 26 年 地域児童福祉事業等調査の結果|厚生労働省
全体の32%が月額の利用料金を4,000円~6,000円と設定しています。2,000円~4,000円、6,000円~8,000円がそれぞれ20%程度で、全体の70%以上が月額2,000円~8,000円で利用できることが分かります。
さらに、既定の時間内の保育以外のオプションサービスを利用する場合、その分の実費徴収を行っている学童保育も多くあります。オプションサービスの例としては、
- おやつ代(月額 1000円~2000円程度)
- 延長保育(規定時間以降や日曜・祝祭日の保育)
- 学習指導
- 食事
- 送迎
といったようなものがあります。おやつ代に関しては月額料金に含まれている施設もあるようです。
このように学童保育料金は、全国的に統一基準がなく地域差が大きい状態です。しかし厚生労働省は『放課後児童クラブ運営指針』を平成27年に作成し、全国的に一定の質の確保を目指す取り組みを進め、質の向上と均質化に力をいれています。
開設日・時間
公立の学童保育は通常小学校内や児童館に併設されているところが多く、利用日や時間は自治体ごとに異なります。
2012年の全国学童保育連絡協議会の調査では、学童保育の利用日に関して以下のような結果が出ています。
さらに、同調査で分かった平均的な開設時間は、
- 平日:下校時〜18時20分
- 土曜日:8時20分〜18時
という結果でした。
また、預かり時間が長い学童でも19時までのところが多いようです。保育園と違い、公立の学童保育では延長することが難しく、遅くまで働く親にとってはそれがネックになる可能性もあります。
しかし、近年ではそうした状況に対応すべく、学童側も開設日数を増やしたり、開設時間が延びる傾向にあるそうです。
出典:学童保育(放課後児童クラブ)の実施状況調査結果がまとまる|全国学童保育連絡協議会
申し込み方法
それでは、実際の学童保育の申し込み方法を確認しましょう。
- 申し込みはいつ頃から始まるの?
申し込み時期は各自治体によって異なります。早いところだと小学校入学前の夏、また申込み期間が数日しかない場合もあるようです。また、自治体によっては先着順のところもあるようですので、早めに各自治体に確認しておくことをおすすめします。
- 必要な書類は?
申し込みの際、さまざまな書類が必要になりますが、学童ごとに多少異なってくるため、利用を検討している学童のホームページを必ず確認しましょう。
- どこに申し込めばいいの?
公立の学童保育の場合、各学童保育もしくは市区町村に申し込みましょう。公営以外の民間などの学童保育は、各施設で直接申し込みを受け付けているところが多いようです。
- 見学はできるの?
各学童に見学がしたい旨を伝えれば、基本的にはさせてもらえる場合が多いです。その際、行きやすさや児童、先生の様子、また開設時間など質問や確認事項をあらかじめ準備していくとよいでしょう。
- 審査基準は?
各自治体によって異なりますが、審査を行っている場合、保護者の勤務日数・時間、子供の学年、家族構成などが審査項目に含まれます。入所希望者数が学童保育の定員を上回る場合は、定められている『入所審査基準の指数』『調整指数』に基づいて審査されます。それらの指数を満たしていれば、必要性が高い人から入所できます。
- 申し込み対象は何年生まで?
2014年度までは小学3年生までが対象でしたが、2015年度の制度改革により小学6年生までの受け入れが可能になりました。しかし現状は、待機児童問題も深刻なので、希望児童全員受け入れられる学童は少なく、小学4年生以上は入りにくくなっているそうです。
春休み・夏休み・冬休みなど長期休暇中について
夏休みなど長期休暇では、お弁当や預け時間など、通常時の学童保育と異なってきます。
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