生徒会は何のためにあるの?目的や組織構成、活動内容をご紹介!

多くの学校で組織されている生徒会ですが、実際にどのような活動が行われているかご存知でしょうか。今回は、生徒会が存在する目的や組織構成、各学校での生徒会の活動事例についてご紹介します。

生徒会では何をするの?活動事例をご紹介

まずは、生徒会で実際にどのような活動が行われているのか、その具体例を見ていきましょう。

いじめ問題への取り組み

多くの学校で行われている生徒会活動の1つが、いじめ問題への取り組みです。いじめを無くすためにすべきことは何か、生徒が主体的に考え、行動することに主眼が置かれています。

例えば、所沢市立所沢中学校では、2012年度に生徒会が中心となって「いじめ撲滅キャンペーン」を実施しました。テーマとして設定したのは、いじめる側でもいじめられる側でもない「傍観者」。生徒朝会でのプレゼンテーションやアンケート調査が行われ、生徒自身がいじめ問題と向き合いました。

また、翌2013年度は、さらに一歩踏み込んで「身近ないじめ」に焦点を当てた活動が行われたとのこと。2014年度も、夏休み中に生徒会本部の役員生徒がVTRを作るなどしてキャンペーンに継続性を持たせています。

今回のキャンペーンにより、いじめが全くなくなったわけではないそうですが、いじめという深刻な問題への取り組みを一過性のものとして終わらせない姿勢や、生徒が主体的にこの問題を考えることには大きな価値があると言えるでしょう。

参考

いじめの問題に対する取組事例|文部科学省

スマートフォン利用に関する取り組み

生徒のスマートフォン利用については、学校によって対応が異なります。校内への持ち込みや使用を禁止しているところも珍しくありません。一方で、災害時や防犯対策にスマートフォンは必須と考える保護者も少なくないでしょう。立場によって考え方や重視するポイントの異なるスマートフォンを巡っては、生徒会活動でも議題に上がることが多いようです。

2014年には、兵庫県立姫路別所高等学校の生徒会が中心となって、「生徒から学ぶ教員スマホ研修」が行われました。教員を対象にしたアンケート調査の実施や、リーフレットの作成、LINEやTwitterの実演など、生徒による教員向けの研修が実施されました。高校生と大人とではスマートフォンの利用の仕方が大きく異なります。世代間の認識のギャップを埋め、生徒が直面するさまざまな問題や悩みを教員がより深く理解するためにも有益な取り組みと言えるのではないでしょうか。

参考

テーマ「生徒会による自主的な携帯電話マナー向上の取り組み」|文部科学省, P16

募金活動

生徒会活動の定番の1つに募金活動があります。地震や台風などの災害が起こった際に行われることが多いようです。例えば東京都立三鷹中等教育学校では、熊本地震が起きた2016年に生徒会が募金活動を行っています。

参考

本校生徒会が熊本地震義援金の募金活動を行いました|東京都立三鷹中等教育学校

また、赤い羽根共同募金の活動に参加する学校もあります。赤い羽根共同募金とは、社会福祉法において第1種社会福祉事業と定められている活動で、10月1日から翌年3月31日までの6か月間、全国で一斉に行われます。

参考

【生徒会活動】赤い羽根共同募金・フィリピンへの募金|武田中学校 武田高等学校

学校の環境改善

学校の環境改善も生徒会活動の1つです。古くなってきた生徒全員の個人ロッカーを新しいものに取り替えたり、古い和式トイレの一部を様式に変えるなど、生徒会が中心となって学校設備を新しくすることに成功した事例もあります。

参考

「生徒会」が学校を変えている!? 実は知らない活動内容に迫る!|スタディサプリ進路

設備改修などはお金が関わってくるので、生徒会側の要望が簡単に通るわけではありません。生徒会の中で先輩から後輩へと課題を受け継ぎ、数年かかってようやく実現することもあるようです。

ここでご紹介した事例以外にも、校内の美化活動や地域清掃、ボランティア活動、学校行事への参加、広報紙作りなど、各学校の生徒会ではさまざまな活動が行われています。

生徒会は何のためにある?

生徒会の具体的な活動事例をいくつかご紹介しましたが、次に、生徒会とはそもそもなぜ存在するのか、その目的や位置付けについて見ていきます。

生徒会の位置付け

生徒会は、学習指導要領に基づく特別活動に分類されています。

生徒会活動の目標として掲げられているのは、「望ましい人間関係の形成」、「よりよい学校生活づくりへの参画」、「問題解決のための自主的・実践的態度の育成」です。

活動内容としては、以下の5つの項目が挙げられています。

  • 生徒会の計画や運営
  • 異年齢集団による交流
  • 生徒の諸活動についての連絡調整
  • 学校行事への協力
  • ボランティア活動などの社会参加

(引用元:中学校学習指導要領|文部科学省, P106

また、学習指導要領には、学校の全生徒が生徒会の構成員であることが明記されています。

学校生活をよりよくするために、生徒自らの主体的な参画が求められる一方で、権限は限定されており、学校運営への生徒会の影響力は概して大きくないのが現状です。とはいえ、生徒1人ではなかなか意見を聞き入れてもらえないときに、生徒会が生徒の声を代弁することで、教師や学校側に耳を傾けてもらいやすくなるということはあるでしょう。

主権者教育としての生徒会

生徒会活動は主権者教育の側面も持っています。

学校生活の中で発見した課題とその解決方法を、生徒の意見を吸い上げて形にし、話し合いを重ねながらそれらの実現を図るプロセスは、まさに民主主義の縮図と言えます。

2015年の公職選挙法改正により、選挙権年齢が18歳に引き下げられたことで、主権者教育の実践の場として生徒会の存在意義は増していくことでしょう。

また、生徒会が各地域の選挙管理委員会と連携して模擬選挙を実施するなど、日本の選挙制度や議員選出の仕組みを学ぶ機会を提供している学校もあります。

生徒会の仕組み

続いて、生徒会の仕組みについて見ていきます。

組織構成・役職は学校によって異なる

生徒会の組織構成は各学校によって変わってきますが、一般的に「生徒総会」、「生徒会役員会」、「各種委員会」によって成り立っています。

それぞれの概要は下記の通りです。

  • 生徒総会:全校生徒が参加する生徒会の最高審議機関。活動計画、予算、規約の改正などの審議が行われます。開催頻度は年間1〜2回程度。
  • 生徒役員会:会長、副会長、書記、会計などで構成されます。生徒会の運営や執行に当たります。
  • 各種委員会:「環境委員会」「生活委員会」「図書委員会」「新聞委員会」など、各学校の実情に合わせて設けられます。委員は各クラスの代表によって構成されます。

参考

学級・学校文化を創る 特別活動【中学校編】|国立教育政策研究所教育課程研究センター, P70

役員はどうやって選ぶ?

生徒会は全校生徒によって構成されますが、年間の活動計画の立案や議題の提出など、運営の中心を担うのは生徒会役員です。役員には、生徒会長、副会長、書記、会計などの役職があります。

これら役員は、「生徒会役員選挙」によって選出されるのが一般的です。各候補者は公約を立て、昼休みなどを利用した演説会を行う学校もあります。

生徒会についての疑問

生徒会がどのようなものなのか、イメージは掴めてきたでしょうか。ここからは、生徒会についての理解をさらに深めるために、「小学校における生徒会」、「生徒会活動と入試の関係」、「生徒会が抱える課題」という3つのトピックについて解説していきます。

小学校にも生徒会はある?

小学校にも中学・高校における生徒会と同じ位置付けの「児童会」という組織があることをご存知でしょうか。生徒会と同じく、児童会も学習指導要領に基づく特別学習と位置付けられています。

児童会の構成員は全校児童ですが、運営は主に高学年の児童によって行われます。児童会活動の目標として掲げられているのは、「望ましい人間関係の形成」、「よりよい学校生活への参画」、「問題解決のための自主的・実践的態度の育成」となっており、上述した中学・高校の生徒会とほぼ違いはありません。

学習指導要領に定められた児童会の活動内容は下記の通りです。

  • 児童会の計画や運営
  • 異年齢集団による交流
  • 学校行事への協力

(引用元:小学校学習指導要領|文部科学省, P102

生徒会と同じように、児童会にも各種委員会が設けられており、「放送委員会」、「新聞委員会」、「給食委員会」などがあります。

生徒会役員になるメリットは?入試に有利?

生徒会活動と入試との関係について気になる保護者の方は多いかもしれません。はたして、生徒会の役員になることに何かメリットはあるのでしょうか。

高校受験では、部活動などと同じように、生徒会で担った役職や活動内容を内申書(調査書)に記載することができます。ただし、生徒会での活動が合否に大きく影響するということはありません。一部の地域では内申点に加えられるケースもありますが、その扱いは小さく、生徒会の役員になれば入試が有利になるとは言い切れないのが現状です。

とはいえ、目に見える形でのメリットがなくとも、生徒会活動に積極的に関わることは無駄なことではありません。前述したように、生徒会活動は主権者教育の側面を持っています。公約を掲げて立候補し、役員として運営に携わったり、生徒の代表として学校側に要望を伝えるなどの経験は、それ自体が貴重なものでしょう。生徒会の役員になってこそ得られる学びというものがあるはずです。

生徒会が抱える課題は?

生徒会が抱える課題についても見ておきましょう。

まず挙げられるのはジェンダーギャップの問題です。大津市教育委員会が行った調査によると、2018年度、中学校の生徒会長を務めた女子は1割のみでした。生徒会の役員数は女子が多い(63%)にもかかわらず、ほとんどの学校で会長は男子が務める(89%)という結果になったのです。小学校の児童会長の数は男女同数であることから、年齢が上がるにつれて、(男性のリーダーが多い)社会の意識に影響を受けるのではないか、という指摘も出ています。

PTA役員のほとんどを母親が占める一方で、会長は父親が務めるケースが多いように、子供たちにとって身近な場所でもこのような現象は見られます。男女格差の問題は、生徒会が抱える課題であると共に、日本社会全体で解決すべき問題と言えるでしょう。

参考

中学の女子生徒会長1割だけ…背景調査へ 小学校は均等|朝日新聞

生徒会に関心を持つ生徒が少ないことや役員選挙の形骸化も課題となっています。全国の高校の生徒会役員が集まる「全国高校生徒会大会」では、広報紙をほとんどの生徒が読んでくれないというのが、各学校に共通する課題として挙げられました。また、生徒が企画案を出しても教師に反対されたり、意見を聞いてもらえないという声もあります。

参考

全国の仲間が考えた「理想の生徒会を作る政策」はコレだ!第3回全国高校生徒会大会|「みらいぶ」高校生サイト

おわりに

生徒会の活動事例や目的、組織構成、入試への影響、生徒会が抱える課題などについてご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。生徒会と一口に言っても、各学校によって活動内容はさまざまです。生徒会でどのような活動が行われているのか、ぜひお子さんからも話を聞いてみてください。

参考

中学校学習指導要領|文部科学省
高等学校における政治的教養と政治的活動について|文部科学省
社会参加・協働の意識と能力を育てるカリキュラム・生徒活動の研究|学校法人芝浦工業大学『高校・中学教育研究報告書<2010 年度版>』
「楽しく豊かな学級・学校生活をつくる特別活動(小学校編)」|国立教育政策研究所 教育課程研究センター
小学校学習指導要領|文部科学省
児童会(小学校)・生徒会(中学校・高校)役員選挙などへの支援|箕面市
生徒会活動報告|高輪中学校・高等学校
【知っておきたい】内申書のすべて|スタディサプリ中学講座
内申書とは?内申が高校入試でどう活用されるのか知っておこう!|栄光ゼミナール

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