運動会で花形の短距離走やリレー。選手に選ばれた子供には、早く走れる靴を買ってあげたくなるものです。実際に、靴を良くするとタイムは変わるのでしょうか。どんな選び方がいいのでしょうか。実際に使う場面を想像しながら選びましょう。
もくじ
トラックの種類によって最適な靴も変わる
親としては「とにかく早く走れる靴を!」と考えがちですが、トラックの種類によって靴の相性も異なります。会場を念頭に靴選びをしましょう。
全天候トラックの場合
都内を中心に「かけっこスクール」を展開しているTRACの大西正裕ヘッドコーチは、スクール生の子供たちと「運動会最速シューズ」を探すという実験をしました。公開されている結果をもとに、靴選びについて考えてみましょう。
まずはゴムやウレタンなどでできている、悪天候でも使用できる全天候トラックです。全天候トラックは公立校では珍しいですが、競技場を借りて運動会を行う場合はそこのトラックが全天候型かもしれません。一度事前に確認しておきましょう。
大西コーチと子供たちの実験の結果、全天候トラックに向いている靴には以下のような特徴がみられました。
①アッパー素材が緩まず硬すぎず、足馴染みの良いものを選択すること。
②疾走中のシューズのねじれ、スムーズな蹴り出しをサポートする「シャンク」があること。
③走りのタイプによってシューズを選択すること。
ストライド:硬いソールのシューズを選択
ピッチ:軽量なシューズを選択
(引用元:運動会最速シューズを探せ!!No.2 | TRAC)
実験の内容はTRACのブログに詳しく紹介されていますので、ぜひ読んでみてください。
①は、実際に履いてみないと分からない感覚です。ネット通販で探すだけでなく、販売店に足を運んでみると、意外といい靴が見つかるかもしれません。
②の「シャンク」とは、靴のアーチを支える芯材のことです。子供に人気のラインでもシャンクを売りにしている商品があります。
③の「ストライド」と「ピッチ」とは、それぞれ「ストライド走法」「ピッチ走法」のことです。
歩幅を小さく取る走り方を「ピッチ走法」と呼び、足の回転が速いために目的地までの歩数は増えます。
一方、歩幅を大きく取る走り方が「ストライド走法」で、足の回転は若干遅くなります。
(引用元:ピッチ走法とストライド走法/マラソン・ランニングにお役立ち|エクシオマラソン)
子供の走り方がストライドなのかピッチなのかは、体育の先生や専門のトレーナーの意見も聞いたほうが判断がつきやすそうです。
土の直線トラックの場合
短距離走の場合は、直線で土のトラックを走ることが多いでしょう。TRACの大西コーチの実験結果によると、このようなトラックに向いている靴には以下の特徴があります。
①運動会が行われるサーフェイス(特に乾燥時)について考慮し、乾燥が強い場合にはゴム状の突起のあるシューズを選択すること。
②シューズのグリップ力はサーフェイスや足馴染みによって異なるので、本番2週間から10日前までに購入し走りの感覚を確認すること。
③土のグラウンドの場合、ソールは柔らかずぎず硬すぎず、体力レベル、体格に合わせたシューズを選択すること。
(引用元:運動会最速シューズを探せ!No.3 | TRAC)
①は、季節によっても条件が変わります。春であれば雨が多いかもしれませんが、秋の運動会はグラウンドががかなり乾燥していることもあるでしょう。
サッカーで使われているトレーニングシューズは、スパイクがしっかりついています。ただし、学校によってはそういった靴を禁止していることもありますので、事前に確認しておきましょう。
②③で大切なポイントは、無理して合わないシューズを履かずに、子供にとって履きやすいものを選ぶということではないでしょうか。評判のいいブランドかどうかよりも、子供に合わせて靴を選んであげるといいでしょう。
土のコーナートラックの場合
リレーの場合はコーナーの走りが入ってきます。直線コースとは体重のかかり方などが変わってきますので、「コーナーで抜かれない」というのが大切なポイントとなってきます。
①コーナーではグリップ力の高いシューズはタイムの変化が小さいこと。
②フィット感が高いアッパーの固すぎずホールドされ、履き口緩くないシューズが適している。
③サイズのあった専門シューズを選択すること。
(引用元:運動会最速シューズを探せ!No.4 – TRAC)
①ではコーナーでの踏ん張り力が重視されています。コーナーで滑って転んでしまう子供もいますので、そういった事故を防止するという意味合いで滑りにくいシューズを選ぶといいでしょう。
②③では、靴の接地面だけでなく、足と靴のフィット感がポイントとなっています。普段少し大きい靴を買っている家庭もあるかもしれません。運動会でのタイムを重視するなら、そのタイミングでジャストなサイズの靴を選ぶようにしましょう。