入学式という厳かな式典での祝辞の文面や、壇上での振る舞いはどうしたら良いのでしょう。祝辞を述べる立場によって、準備する言葉や気配りは異なります。入学式の祝辞文章構成の基本を押さえて、堂々としたあいさつをしましょう。
もくじ
入学式の流れ
入学式は文部科学省で決められた儀礼的行事です。式の進行は学校ごとに異なりますが、以下が基本的な入学式の流れとなります。
①開会の辞
②新入生入場
③国歌斉唱
④入学許可
⑤新入生呼称
⑥学校長の式辞
⑦来賓の祝辞
⑧PTA会長のあいさつ
⑨祝電披露
⑩在校生代表の歓迎のあいさつ
⑪新入生宣誓
⑫担任紹介・教員紹介
⑬新入生保護者代表あいさつ
⑭校歌斉唱
⑮閉会の辞
⑯新入生退場
入学式の祝辞の書き方・読み方のポイント
式辞用紙の書き方
学校が用意する専用用紙がない場合は、市販の式辞用紙を準備しましょう。入学式の壇上で原稿を読み上げるため、ていねいな文字で書きます。
式辞用紙の場合、封筒の表側に題名を、裏面には氏名を書きます。
祝辞の長さ
祝辞の長さは2~3分が理想です。長すぎると間延びし、短すぎると物足りない印象を残すため、適度な長さを心掛けましょう。
内容
書くべき点
基本的内容は学校からの指導があり、過去の祝辞を参考にすることができます。学校側とよく相談して書きましょう。
入学式にふさわしい、春の時候のあいさつは堅苦しくない口語調で述べましょう。
新入生には新生活の目標や応援を、在校生には進級したことへの自覚を促す言葉を盛り込むと、入学式らしくて良いでしょう。新学期に不安を抱く子供もいることを配慮した言葉選びが必要です。
入学式に参加している聴衆全体が興味をそそられるような話題を選ぶと、聞く人の印象に残る祝辞にすることができます。
避けるべき点
「父兄」ではなく「保護者」を使います。母子家庭や父子家庭の子供もいるので、父兄という言葉は差別用語として捉えられることがあります。
体や食べ物に関する内容は避けるのが無難です。一見分からないようでも、障害やアレルギーを持つ子供がいます。傷つく子供や保護者がいることに配慮しましょう。
入学式の主役である新入生の年齢層を配慮し、分かりやすいメッセージを簡単な言葉で伝えることが大切です。
プライベートな話題をするときは、自慢話はしません。お祝いの場であることを忘れずに、教訓やルールを押しつけるような文面も避けましょう。
祝辞を述べる口調や動作
原稿を読みながらも、聴衆全体に語りかけることを意識します。そのため、原稿ばかりを見ず、ときどき目線をあげると良いでしょう。
口調は穏やかで、少しゆっくり落ち着いて読みましょう。相手が聞き取りやすいように、口を大きく動かし、語尾までしっかりと発声します。飽きさせないように、強弱をつけて読むのが理想です。動作は無駄なく、堂々と行います。ていねいな身のこなしを心掛けましょう。