「幼稚園に行きたくない!」と子供が泣いて嫌がるのは、そこまで珍しい光景ではありません。とはいえ、自分の子供が登園拒否をし始めたら、親としては心配になったり悩んだりするものです。今回は子供が幼稚園を嫌がる理由として考えられることや、その対処法についてご紹介します。
もくじ
どんなときに幼稚園を嫌がる?
人間関係で嫌なことがあったとき
大人から見れば友達と仲良く遊んでいるように見えても、子供が「嫌だ」と思うトラブルが起こっていることもあります。未就学児は特に体格・体力に個人差が大きいこともあり、「誰々と遊ぶと怖いから嫌」というような理由で登園を拒否することがあります。
子供同士だけでなく、先生に苦手意識を抱いている可能性もあるでしょう。親以外の大人に叱られる経験があまりないため、最初はびっくりして恐怖感を抱く子供も少なくないようです。
やりたくない行事・プログラムがあるとき
発表会や運動会は子供たちにとって晴れ舞台であり、幼稚園としてもアピールポイントになる行事です。しかし、大人側に熱が入りすぎると、子供にとっては重荷になることも少なくありません。
イベント前のタイミングで「行きたくない」と言い出したのであれば、行事の準備や練習などが子供に負担になっている可能性がないのか考えた方がいいでしょう。
環境の変化が大きいとき
引っ越しをした、年下のきょうだいが生まれた、初めて集団生活を送るなど、環境の変化が大きいときは、それが登園拒否の原因になっているかもしれません。大人でも環境の変化はストレスになりますが、子供にとっては生まれて初めて経験する大変化かもしれません。登園拒否だけでなく、「赤ちゃん返り」のような行動が見られることもあります。
体調が悪いとき
ある程度大きな子供や大人であれば「疲れが取れない」「体調が悪い」ということを言葉で伝えることができますが、小さな子供の場合はまだ上手にできません。不機嫌な態度を見せる、泣くといった態度で「体が辛い」ということを表現します。
生活リズムが乱れているとき
残業が長かったり、出勤がシフトでまちまちだったりと、大人でも生活リズムが乱れると辛いものです。子供の場合も、睡眠がきちんと取れていないと体調が整わず、幼稚園に行きたがらないことがあります。2006年に行われた調査では、夜間の中途覚醒と登園拒否の間に相関関係があることが分かったようです。
調査結果から、消灯時刻、起床時刻、睡眠時間といった時間変数と登園しぶりとの間に関連は見られなかった、「夜早く寝かせないから」「早く起こさないから」登園を渋るという推察は否定された。登園をしぶる子どもたちに特徴的だったのは、中途覚醒だった。夜尿などに誘発される中途覚醒が多く、朝なかなか起きられず目覚めの機嫌が悪いことが分かった。
(引用元:幼稚園児における登園しぶりと生活リズムの問題 | J-Stage)
また、足立区立の保育園・こども園では、全員一斉のお昼寝を取りやめたそうです。眠くなってしまう子供たちはお昼寝するものの、眠くない子供は起きて活動します。これによって夜にまとめてしっかりと寝るというリズムがつき、子供の睡眠の質が向上したのではないかと考えられています。
参考
<子どもの眠りを守る>(2)就学前の幼児が昼寝をやめたら…… | yomiDr. / ヨミドクター(読売新聞)