いらない鉛筆やノートは寄付をしよう!寄付を受け付ける5団体 - cocoiro(ココイロ)

シャープペンシルやボールペンを使うようになり、使わなくなった鉛筆などの処理に困っている方もいるのではないでしょうか。その量が多ければ、まとめて寄付団体に寄付してもいいかもしれません。当記事では、寄付を受け付けている団体や寄付前に気をつけたいことについてご紹介します。

文具の寄付を受け付けている5団体を紹介

Eco Trading

株式会社ウォークが運営するEco Tradingは、全国の家庭の不用品を集めて、タイやフィリピンなど東南アジアの国々のリサイクルショップへ販売しています。

タイやフィリピンは、発達した産業を持たず輸入品に頼らざるを得ない国々。売上の一部は孤児院や国内NPO法人への寄付にも充てられています。2019年からは、寄付してもらった不用品を一部日本国内で再販売し、児童養護施設や被災地復興支援、ボランティア活動にも役立てています。扱う品物は、使用が困難であればタイやフィリピンに送ることはありません。スタッフが現地に訪れて、直接子供たちの手にリサイクル品を渡しています。

また、チャイルドファンドジャパンのスポンサーシップ・プログラムにも参加しています。このプログラムでは、貧困の中で暮らす子供の成長のために一対一での交流や支援を促しています。子供1人当たり、月4,000円の支援をしています。

受け付けているのは、ぬいぐるみや玩具、ベビー用品、子供服や衣類、ランドセル、食器、調理器具、家電製品、靴、工具、バッグなどさまざまです。寄付の方法は、Eco Trading宛に不用品を段ボール箱に詰めて、送り状を添えて送るだけ。事前連絡などは不要です。

Eco Trading 公式サイト

フリー・ザ・チルドレン・ジャパン

フリー・ザ・チルドレンは、1995年にカナダの12歳(当時)、クレイグ・キールバーガー氏によって設立された国際協力団体です。クレイグ氏は、貧困により働かなければならない子供たちの存在を知り、疑問と憤りから、子供たち同士で助け合えるフリー・ザ・チルドレンを創設。これまで1,000校以上の学校建設を行って、20万人以上の子供たちに教育を提供しています。日本では約1,500名、世界では20ヵ国以上、230万人の子供や若者が参加しています。

掲げるミッションは、2つ。「国内外の貧困や差別から子供をフリー(解放)する」「『子供には世界を変えられない』という考えから子供をフリー(解放)する」です。このミッションの達成のため、日本支部では5つの事業を展開しています。

子供の権利を守るための「海外自立支援事業」、子供がリーダーとなって事業を企画、活動する「子ども主体事業」、国際問題や社会問題を解決できる子供を育てる「子ども活動応援事業」、世界の子供たちの状況を伝える「アドボカシー事業」、大人や他団体と連携する「ネットワーク事業」です。

こういった活動に共感した場合には、メンバー登録して活動への参加、協力をしてもいいでしょう。また、寄付での協力も受け付けています。商品券や書き損じハガキ、不用品、古本、文房具、歯ブラシなどの物資による寄付のほか、募金や文通、フェアトレードなどでの協力も可能です。

フリー・ザ・チルドレン・ジャパン 公式サイト

NGO時遊人

一般社団法人のNGO時遊人は、2007年に設立された団体です。当初から、「POSTMANプロジェクト」として、文房具品をカンボジアなどの途上国に寄付していました。

2010年には文房具だけでなく、学業支援寄贈を開始。2011年に東北大震災の救済支援も開始して、現在までに感動体験者4,000件を突破しています。2018年に、「NPO日本ベトナム平和友好連絡会議」の理事に代表が就任しました。日本本部を含め、ベトナムのハノイ事務局、ホーチミン事務局、タイ事務局で活動しています。

POSTMAN活動を行った若い女性の感想です。

カンボジアのシェムリアップ周辺にある「SCSA」という施設に行きました。過去に人身売買や物乞いを経験した子供達のための施設ということで、元気のない様子を想像していました。実際は私達を暖かく迎えてくれ、とても輝かしい笑顔を見せてくれました。子供達と話していくうちに、将来への希望を垣間見ることができました。お医者さんになりたい、学校の先生になりたいと夢を語り、私達にも尋ねてきてくれました。みんなでkiroroの”Best Friend”を歌った時、一人の女の子が急にだまり、涙を浮かべているのを見てここの施設の子供達の辛い過去を思い出しました。しかし、それにもかかわらず将来の夢をキラキラした目で語り、今の日本では普段感じることの出来ない”生きる”力強さを感じました。

(引用元:POSTMAN体験談|NGO時遊人

文房具の寄付は、電話もしくはメールで受け付けています。

NGO時遊人 公式サイト

セカンドライフ

セカンドライフは、不用品のリサイクル事業を通じてワクチンの募金を行っています。世界では、ポリオ、ジフテリア、はしか、百日咳、破傷風、結核といった感染症により、多くの子供たちが命を落としています。その解決のためにはワクチンが必要。ワクチンを輸送する際には、適切な温度管理を維持しなければなりません。ワクチンだけでなく、輸送支援も必要で、その支援をセカンドライフでは担っています。これまでに、12万7千人以上の募金活動を行ってきました。

受け付けた不用品のほぼ100%をリユースできています。専用の箱に不用品を入れて送れますが、その1箱につき、1件のワクチン募金をしています。不用品は、指定日に各自宅まで引き取りにきます。3辺合計が120サイズと160サイズから選べて、それぞれの価格には、「伝票配送料」「ゆうパック料金」「ワクチン募金」が含まれています。

セカンドライフ 公式サイト

ワールドギフト(World Gift)

ワールドギフトは、身の回りの不用品を途上国の寄付や現地リユースを通じて再利用して社会支援に役立てることを目的にしています。

具体的には、物資の宅配集荷サービス、物資の途上国や国内企業への提供もしくは販売、食料支援、病児医療費支援、資源の再資源化業者への無償提供、支援団体への募金活動などを行っています。募金や物資から、児童支援団体や障碍者支援団体、協会、学校のほか、国境なき医師団、日本赤十字社、交通遺児育英会などさまざまな団体を支援しています。

不用品・寄付品は、120サイズ、140サイズ、160サイズごとに集荷料金が決まっており、指定日に離島を含む47都道府県で宅配業者が集荷に来ます。受け付けている品物は、衣類から日用品、玩具、カバン、ベビー用品、化粧品、スポーツ用品までバリエーションに富んでいます。

ワールドギフト 公式サイト

寄付する前に注意すること


途上国の現状を知り、「役に立ちたい」という思いで寄付をすること自体は素晴らしいことです。しかし、手当たり次第に寄付をすればいいということではないようです。

自分が受け取ってうれしいものを

「寄付だから何でもあげればいい」という感覚で、使い古した文房具を寄付してもかえって逆効果かもしれません。

例えば、未使用ページがあるとはいえ表紙のボロボロになったノート、使い古して短くなった鉛筆、短く折れたクレヨンなどを寄付しても、もらった側にとっては用途が少ないものです。現地の子供たちが受け取ってうれしい文房具は、日本の子供たちが受け取ってもうれしい文房具でしょう。寄付する前に、「この文房具を受け取って本当に喜んでもらえるか」を一度考えた上で寄付してはどうでしょうか。

費用負担を考えれば違った支援の方法も

国外に荷物を送ろうとすると、それなりの費用がかかってきます。例えば、20cm各の箱に短くなった鉛筆を約2,000本入れたとすれば、重量は約2kg。これを日本から南米に送るには、通常で3,000~7,500円ほどかかります。3ヶ月かかる船便で送っても、3,000円ほど。そして受け渡しを行う人の人的コストも考慮しなければなりません。

つまり、もし同じ金額があるなら、現地で新品の鉛筆を買った方が安く済んでしまうのです。現場では、現金での寄付の方がありがたい場合もあるかもしれません。

おわりに

使わない鉛筆やノートを誰かの役に立たせたい、という心は素晴らしいものです。しかし、それが善意の押しつけにならないように注意しなければなりません。また、正しく寄付、寄贈されているかも確かめたいもの。自分が寄付する場合には支援団体、相手が適切なのか見極めておきましょう。

参考
Top|一般財団法人 NGO時遊人
Top|特定非営利活動法人フリー・ザ・チルドレン・ジャパン
Top|セカンドライフ
Top|Eco Trading
Top|ワールドギフト(World Gift)
文房具を海外NGOに寄付したい?それ、迷惑かも。|国際協力の仕事と映画な日々
短い鉛筆を海外に寄付しようとする前に考えて欲しいこと|おち研

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