内申点が低いと合格に響く?中3からでも間に合う志望校突破の方法 - cocoiro(ココイロ) - Page 2

内申点が低くても合格できる高校を選ぶ

中2までの内申点が極端に低い場合、中3から内申点を上げるための努力には限界があります。その場合でも、高校に入れないわけではありません。一般入試において内申点の比重がそれほど高くない高校を選んで受験することができます。

都道府県ごとの公立高校の特徴をつかむ

高校側が内申点をどれだけ重視するかは、都道府県ごとに基準が異なります。それで、各都道府県の教育委員会のサイトから、自分の子供が受けたい公立高校の情報を調べておく必要があるでしょう。分かりやすい例として、東京都と神奈川県、大阪府の公立高校の特徴を比較してみましょう。

東京都の公立高校

東京都の場合は、内申点の対象になるのは中3の成績のみです。内申点の配分は、学力検査のない実技教科4教科が2倍の計算になっています。そこで東京都の場合、中3からでも実技4教科に一生懸命取り組むことで内申点の挽回は可能であることが分かります。

2016年度からは、学力検査と内申点の割合は、一律で7:3となりました。過去に日比谷高校の特別枠であったような、学力検査のみで合否を判定する方法は廃止となりました。東京都の公立高校の場合は、どこも同じ比率なので受ける高校により内申点の差が有利・不利に働くことはないでしょう。

参考
調査書の点数化について|東京都教育委員会

神奈川県の公立高校

神奈川県は、中2と中3の9教科の成績を5段階で評定して内申点を計算します。この中でも中3の成績は2倍となります。そこで神奈川県の場合、中3からの挽回も可能ですが、中2までの内申点が大きく関わってくることが分かります。

神奈川県では、5教科の学力検査、内申点、面接、特色検査の4分野が選抜基準となります。特色検査と面接の比率は、それぞれ1割です。しかし、学力検査と内申点の配分は4:4~6:2まで幅があります。神奈川県の公立高校の場合は、内申点が評価されやすい高校とそうではない高校があること知っておくことが大切です。

参考
公立高校入学者選抜制度の概要|神奈川県教育委員会

大阪府の公立高校

大阪府は、中1から中3の9教科の成績を5段階で評定して内申点を計算します。中1、中2、中3の内申点が評価される割合は1:1:3となります。特に中三の成績が重視されて計算されるため、中3から内申点を挽回するのも不可能ではありません。

大阪府は、5教科の学力検査と内申点の総合点が選抜基準となります。学力検査と内申点の比率は3:7~7:3のいくつかのパターンで、それぞれの公立高校が定めます。

2016年以降は学力検査と内申点の点数に大きな開きがある場合、チャレンジテストの点数をもとに内申点を補正するようになっています。これは絶対評価が導入されてから、内申点の点数が必ずしも生徒の実際の成績を反映していないからです。大阪府の場合は、内申点がそれほど高くなくても学力検査の点数アップで合格を目指しやすいといえるでしょう。

参考
平成31年度大阪府公立高等学校入学者選抜実施要項|大阪府教育委員会
中3の内申点入試で補正 大阪府公立高入試で絶対評価移行で方針

内申点を重視しない私立高校も選択肢に

内申点があまりにも低い場合は、私立高校を志望校とすることも選択肢の一つとなるでしょう。

多くの私立高校では内申書は参考程度にしか活用されず、当日の面接や学力検査が重要となります。また、私立高校を第一志望校として専願する場合、合格ラインが下がる優遇措置をとる高校もあります。中2までの内申点が極端に低くても、私立高校を第一志望にすれば、合格できる可能性は高まります。

また、入試当日の学力検査以上に評価されることはありませんが、全国模試や英検などを受けるのも良い方法です。

全国模試

一部の私立高校は全国模試の成績を、入試当日の学力検査に加点して合否を判定します。当日の成績だけではなく、生徒の総合的な学力を判定しようと考えているからです。このような私立高校を受験する際には、中3の時期に、全国模試を定期的に受けることを考えるのもいいでしょう。

英検などの外部資格

私立高校では英検などの資格を加点の基準として設けていることがあります。その場合、英検3級以上を取得する必要があります。英語科目が得意で、余裕がある場合は英検の資格取得を検討しましょう。

最後に

現在の内申点が低い場合、中3からできることには限界があるのも事実です。しかし、公立高校の中には中3の内申点を重視する高校もあるので、今からでもできる限りの内申点対策に励むことをおすすめします。

都道府県ごとの公立高校の特徴をつかめば、内申点よりも当日の学力検査を重視する学校を見つけられるかもしれません。内申点が低いという現実を受け止めて、それに応じた戦略を立てるれば、高校受験を成功させられるかもしれません。

参考
親の時代とは大違い 高校受験「内申書」の真実|NIKKEI STYLE

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cocoiro編集部

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