学習院初等科の受験内容
学習院初等科の受験は、簡単な考査と保護者面談とされていますが、いずれも非常に高い基準を要求されます。毎年7倍前後の倍率をほこり、幼稚園から学習院初等科に合格することを目指してきた子供たちが集まります。できるだけ早い段階から対策を行うことはもちろんですが、まずはどのような考査が行われるのかを確認しましょう。
巧緻性を確認する個別テスト
子供の考査はペーパーテストはなく、個別テストと集団テストで行われるのが慣習となっており、子供の語彙力と記憶力を確認するのが個別テストです。特にお話作りと、絵や積み木を使った間違い探しは、学習院初等科の伝統的な試験とされ、多くの子供たちが対策を行った上で受験する、レベルの高い内容になっています。
コミュニケーション能力を確認する集団テスト
集団テストでは、子供の人間性の確認が行われます。6人1チームとなり、先生の行動を真似る模倣体操を行うことで、指示通りに体を動かせるかをチェックしながら、周りの子供たちへの気遣いも見ています。個別テストは基本的な学力をアップすることで対策を講じることができますが、集団テストは子供の個性を活かした子育てが必要となります。
親の教育方針を確認する両親面接
数多くの教育に定評のある小学校の中でも、学習院初等科は両親面談で子育ての方針を確認することに重きを置いています。小学受験と聞くと、子供が面接官である先生からの質問に元気よく回答するようなイメージを持つかもしれませんが、学習院初等科の面接に子供は参加しません。男性と女性の先生と両親の4人で、子育てに関する考え方のヒアリングが行われるため、親の考え方も評価対象となるわけです。
学習院初等科を受験対策とは
国際的な観点で必要とされている英語力だけでなく、グローバルに活躍できる人格の形成が学習院初等科の大きな教育テーマとされている学習院初等科ですが、どのような対策が受験に効果的なのでしょうか? ここからは、「大人としっかりと話せる語彙力をつける」、「指示通りに体を動かす力をつける」、「親と学校の教育方針が一致していることを確認する」の3つについて、分かりやすく解説していきます。
大人としっかりと話せる語彙力をつける
学習院初等科で子供に求められる1つ目の能力が、「大人としっかりと話せる語彙力」です。小学生にあがる前の幼稚園の段階では、自分の気持ちを表現することも難しい子供がほとんどですが、学習院初等科では形容詞の使い分けなどを土台とした語彙力が求められます。また、お話づくりという形で、その力を問われるため起承転結も踏まえた話し方をする必要があります。
そして、学習院初等科に進学するための語彙力を身につける方法として効果的なのが、読書です。小学生に上がる前の幼稚園の子供には早いと思われるような本に、日常的に触れる習慣を身につけさせることがもっとも効果的と言えます。また、子供に読書をしたいという意識をもたせる親の教育も大切な要素となります。
指示通りに体を動かす力をつける
学習院初等科の入学試験では学力だけでなく、運動神経もチェックされます。運動神経と言っても足が速い、ボールを遠くに投げられるといったものではなく、いかに指示通りの動きをすることができるかを試されます。また、集団テストでは紙を折る、はさみで切る、セロハンテープで留めるといった基本的な動作から、手先の器用さも確認されます。
読書で語彙力を身につけさせながらも、子供と一緒に外で遊ぶ習慣を持つことで指示通りの動きができる身体をつくり、家庭内での工作などにも日常的に触れられる機会を設けることが効果的と言えます。
親と学校の教育方針が一致していることを確認する
親と男性の先生と女性の先生の4人で行われる両親面談では、家庭の教育方針と学習院初等科の教育方針が一致しているかどうかを確認されます。国際的な観点で必要とされている英語力だけでなく、グローバルに活躍できる人格の形成が学習院初等科の教育テーマとなりますが、家庭内でも同じ教育方針を持っていなければなりません。
できるだけ早い時期からしっかりとした教育を受けさせたいと考えるのが親というものですが、学校にすべて任せるのではなく、幼少期からグローバルな視点を意識して教育をしてきたという両親の方針と実績をすり合わせる場が両親面談なのです。