歴代の芥川賞受賞作家・作品一覧と最近の受賞作品3選をご紹介

読書をしようと思い、本屋に行っても「どの本を選べばいいか分からない」という経験をしたことはありませんか?

そんなときは、とりあえず芥川賞を受賞した作品を手に取るといいでしょう。芥川賞作品は、物語としておもしろいのは当然のこと、表現が多彩なので、お子さんの成長にもつながります。

そこで、今回は、近年芥川賞を受賞した3作品と、受賞した作品すべてをご紹介します。

最近の芥川賞受賞作品

『火花』(文藝春秋)又吉直樹(2015)

笑いとは何か、人間とは何かを描ききったデビュー小説。第153回芥川賞受賞。
売れない芸人徳永は、熱海の花火大会で、師として仰ぐべき先輩神谷に電撃的に出会った。そのお笑い哲学に心酔して行動を共にしながら議論を続けるのだが、やがて二人は別の道を歩んでいくことになる。運命は二人をどこへ連れていくのか。)

(引用元:『火花』又吉直樹|文藝春秋BOOKS

お笑い芸人の又吉直樹さんが書いた小説であり、受賞した時に加え、菅田将暉さんと桐谷健太さんのW主演の映画も話題になりました。

読んだ人の感想としては「思っていたよりも、薄くて読みやすかった」「内容にはあまり期待していなかったが、予想以上に面白かった」といったものが多く、「何か読んでみようかな」と思った人にはうってつけの1冊です。

『コンビニ人間』(文藝春秋)村田沙耶香(2016)

「普通」とは何か?
現代の実存を軽やかに問う第155回芥川賞受賞作

36歳未婚、彼氏なし。コンビニのバイト歴18年目の古倉恵子。
日々コンビニ食を食べ、夢の中でもレジを打ち、
「店員」でいるときのみ世界の歯車になれる――。

「いらっしゃいませー!!」
お客様がたてる音に負けじと、今日も声を張り上げる。

ある日、婚活目的の新入り男性・白羽がやってきて、
そんなコンビニ的生き方は恥ずかしい、と突きつけられるが……。

(引用元:『コンビニ人間』村田沙耶香|文藝春秋BOOKS

主人公は「けんかをしている友達を黙らせるために、スコップで頭を殴る」という普通ではない行動をします。そんな「普通ではない」主人公に対して、主人公と関わる人の態度などをリアルに表現しており、社会に問いを投げかけるような1冊です。そのため、深く重たいテーマですが、文章は堅苦しくなく、読みやすい作品です。

おらおらでひとりいぐも|若竹千佐子(2017)

74歳、ひとり暮らしの桃子さん。
おらの今は、こわいものなし。

結婚を3日後に控えた24歳の秋、東京オリンピックのファンファーレに押し出されるように、故郷を飛び出した桃子さん。
身ひとつで上野駅に降り立ってから50年――住み込みのアルバイト、周造との出会いと結婚、二児の誕生と成長、そして夫の死。
「この先一人でどやって暮らす。こまったぁどうすんべぇ」
40年来住み慣れた都市近郊の新興住宅で、ひとり茶をすすり、ねずみの音に耳をすませるうちに、桃子さんの内から外から、声がジャズのセッションのように湧きあがる。
捨てた故郷、疎遠になった息子と娘、そして亡き夫への愛。震えるような悲しみの果てに、桃子さんが辿り着いたものとは――

(引用元:『おらおらでひとりいぐも』|河出書房出版

この作品は、青春小説の対極にある、玄冬小説(歳をとるのも悪くないと思える小説)です。また「独り言を羅列する」という表現のため、心に刺さる人も多く、「厳しい現実を受け入れて、前向きに生きてきた桃子さんの生きざまがすごく素敵」という感想も見受けられます。

東北弁が多く出てくるため、読みにくいという感想が上の2作品よりも多く出ていますが、「声に出してみたら、意味が分かった」という感想もあります。お子さんには朗読するといいかもしれません。