とりあえずみんな行っているから学校へ行かせる、という考え方は捨ててほしい―10年間の不登校を経て高校生で起業 小幡和輝さん③

とりあえずみんな行っているから学校へ行かせる、という考え方は捨ててほしい

―――子どもが不登校になりそうだという保護者に、どうアドバイスしていらっしゃいますか。

まず、ご自身の中にある先入観を取っ払っていただきたいなと思います。

学校に行かないなら、フリースクールという道がまずあります。また文部科学省も、不登校の児童生徒が自宅でITを使って学習したことで、学校に出席したとみなすケースを認めつつあるなど、選択肢は広がりつつありますね。「教育」に対する答えは1つではないんです。答えが分からないから不安になってしまうと思うんですが、そのためにも、答えを見つけるための判断材料を増やしたほうがいいですね。

勉強に関しては、学校に行かなくても勉強するツールはたくさんあります。また、僕自身は、不登校から定時制高校に通い、その後大学に進学して今があります。小中学校は行かなくて本当によかった。でも、大学時代は本当に楽しかったから行ってよかったと思っています。

いろいろなロールモデルを知り、判断材料を持った上で、自分の子どもはやっぱり学校に通った方がいいと思えば、どういう学校がいいかを考えたらいいですし、この子の場合は学校じゃない方がいいなという場合には、新たな道を模索したらいい。転校したら輝ける子もいます。とりあえずみんな行っているから学校へ行かせるという考え方をまず捨ててほしいなと思います。

ちゃんと学校に行けていても、社会でつぶれる子がいる。その一方で、不登校でも社会で成功していく子がいる

子どもを苦しめたい親はいませんよね。「今はちょっとつらいかもしれないけれど、学校に行った方が将来この子のためになる」、そんな気持ちで親は子どもに学校に行くよう勧めているんだと思います。

でも子どもが「サボりたくて学校に行きたくないんじゃない、無理に学校に行かせないでほしい」と親にSOSを出し、それが親にきちんと伝われば、何が何でも学校に行かせようとする親はいないのではないでしょうか。もしいるなら、「あなたは子どものために言っていますか? 親の世間体で言っていませんか?」と問いかけたくなってしまいます。

進学校に行って有名大学に進んでも、社会に出てつぶれてしまう子はたくさんいます。その一方で、不登校でも成功する子がたくさんいる。「不登校になったら終わり」では決してないんですよ。

子どもの本当の気持ち。お父さん、お母さんには文字が一番伝わる

―――「学校には行きたくないけど、親に心配をかけたくない」と悩んでいるお子さんにメッセージをいただけますか。

まずはこの記事きじをぜひ、お父さん、お母さんにんでもらってください。

ぼくは「学校がっこうには、無理むりに行かなくていいよ」とこころから思っていますが、これは感情的かんじょうてきに言っているわけではなく、冷静れいせいかんがえた上でそう思っています。

勉強べんきょうなら、学校がっこうに行かなくてもできる。じゅくでも家庭教師かていきょうしでもいい。ひょっとすると、学校がっこうで1人の先生せんせいにたくさんの人数にんずうおしえてもらうより、いえやフリースクールで勉強べんんきょうした方が、勉強べんきょうができるようになる可能性かのうせいだってある。学校がっこうに行くことはけっしてムダなことではない。でも、学校がっこうでやっていることは、学校以外がっこういがい場所ばしょでもできるから安心あんしんして大丈夫だいじょうぶ

お父さん、お母さんには、学校がっこうに行かなくなった場合ばあいの1日の予定表よていひょうを出してみるのもいいと思います。「自分じぶん学校がっこうへ行かなかったら、こういうスケジュールで毎日まいにちおくります」って言えたら、きっとご両親りょうしんかってくれると思う。

どんなに言いたくなくても、おやとけんかしたくなくても、「どうしても学校がっこうに行きたくない」という気持きもちは、やっぱり最後さいごおやに言うしかない。でも子どもの立場たちばじゃ、おやはなしても「どうしても行きなさい」と言われたら結局負けっきょくまけてしまう。やっぱり、おやには、子どもがはなすより、文章ぶんしょうになっているものをせるのがいいかなと思いますね。

この記事きじもそうだし、ぼくのブログ(小幡和輝おばたかずきオフィシャルブログ https://www.obatakazuki.com/)にもたくさんの不登校ふとうこう体験談たいけんだんがある。いままで学校がっこうに行きたくないとなやんで大きくなった人たちのはなしをじっくりんでもらうことで、お父さん、お母さんのかた気持きもちがすこしでもやわらかくなって、学校がっこうに行きたくないきみこころってもらえるといいなとねがっています。不登校ふとうこう不幸ふこうじゃない、ぼくはそう思います。

取材後記

親の立場からすれば「学校に行くのが普通」だから、子どもが行きたくないと言い出したときには当然動揺すると思う。けれど、そこが親の腹のくくりどころかもしれない。文部科学省をはじめとして、多様性を認める社会を広げていこうという動きがあるのに、子どもの一番の味方であるべき親自身が古い固定観念に縛られていては、きっと子どもはつらくなる。小幡さんと話していると、不登校の子どもの数だけ多種多様な未来が広がっていくような気がした。

「子どもがどうしても学校に行きたがらない」。もしそうなったら、その次を探そう。親子一丸となって、いくつもの道を模索しているうちに、きっとその子にぴったりな新しい未来にたどりつけると信じたい。

 

取材・文:小澤 彩/編集:下田 和

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