夏のイベントが近づいてくると、子供の浴衣選びに親は奔走します。そこで悩むのが、浴衣の着付け方だけではなく、「帯」とその結び方ではないでしょうか。子供用浴衣に合う帯にはどのような種類があるのでしょうか。子供の浴衣姿をかわいく飾る「作り帯」や、一般的な帯の結び方を基本から簡単なアレンジ方法までご紹介します。今年は、甚平や浴衣ドレスを卒業して、家族みなさんで一緒に浴衣を着てみませんか。
もくじ
子供の浴衣はどうやって着付けるの?
子供用の浴衣には、左右の前襟に紐があります。襟は子供の左側(着付けをしている親の右側)が上になるように合わせましょう。それでは、着付けの参考動画を見ながら、子供用浴衣の基本的は着付け方をご説明します。
【子供用浴衣の着付け方動画】
【浴衣の着付け手順】
紐を結んで着付けていきます。
- 子供の右側にある紐を、子供の左脇の穴に通します。
- 左右の紐を後ろに回し、背中で交差させ、軽く紐を引いて締めます。
- 左右に交差させた紐を前に回し、元の紐の位置よりも少し低い位置で2回くるくると回し、余った紐は挟んでおきます。このことを「からげる」といいます。
【帯・基本の蝶々結びの手順】
背中のしわを伸ばしてから、帯を締め始ましょう。
- 一巻き目は前に帯を合わせてから、背中に帯を回して、交差させるときに結びます。
- 二巻き目は帯をぐるりと回し、帯の余り部分(タレ)が左右同じ長さになるように調節します。
- 二巻き目を背中で結ぶとき、一巻き目の帯下に帯(タレ)を通しから結びます。
- 上になっている帯(タレ)に輪っかを作り、下になっている帯(タレ)を下から巻いて蝶々結びをし、羽を広げてふんわりさせます。
【基本の蝶々結びをふんわりさせたい場合のアレンジ手順】
- 余った2本の帯(タレ)を、腰に回した帯の内側に下からくぐらせて、上から出し、蝶々結びの羽の上にふわりとかけます。
- 背中の最後のボリュームを出し、前の帯を上下に広げて整えます。
子供が長時間着ていても痛がったりしないようにからげたり、帯がずれてくるのを防ぐ工夫がしてある基本の着付け方なので、マスターしておくと安心です。簡単なので、慣れると3分程度で、子供に浴衣を着付けることができます。
帯の結び方については「からげる」や、帯の余り布のことをさす「タレ」といった用語があります。詳細は下記の参考リンクをご覧ください。以降は用語を使ってご説明します。
参考
からげる|コトバンク
帯結びの基本 たれ先|着物あきない
結びのアレンジが楽しめる帯
子供の浴衣に合わせる帯にいいのが、兵児帯、半幅帯(半巾帯)、角帯です。帯の特徴については下の参考リンクで確かめましょう。
参考
半幅帯と兵児帯|Kimono Note~着物ノート~
半幅帯・浴衣帯・細帯とは・特徴を写真入りで説明しています|きもの物語
角帯は男の子の浴衣に合う帯ですが、お祭り衣装を着る際には女の子も着用します。帯の色・素材・種類は、浴衣の色や素材に合わせて全体の着姿に統一感がでるように選びましょう。
兵児帯(へこおび)
淡いグラデーション絞りの柄
兵児帯
ナイロン製の柔らかい生地で、ほど良く伸縮するため着心地が楽です。三尺帯とは男帯の一種で形状は角帯にならいますが、体への締め付けを少なくした簡便的な帯です。男女ともに使えるように青や緑の差し色を施してあります。
天使の羽根のようなフワフワ感
おしゃれが大好きな女の子にぴったりの、ボリューミーな結びができる兵児帯が2枚セットになっています。帯にレースや、キラキララインが入っているためプリンセス気分が味わえます。まるで天使の羽のような、フワフワした女の子に人気の帯です。
立体的な柄で生地にハリがあるから大人っぽい
立体感のあるデザインが印象的な兵児帯です。気軽に締めることができる兵児帯ではありますが、大人っぽい雰囲気があるためきちんとした印象を出すことができます。生地に張りと透け感があり、厚みがないため、夏でも涼しげな雰囲気です。濃い目の色が、浴衣姿を引き締めて凜(りん)とした雰囲気を出すことができます。
ディズニーデザインが帯になってかわいい
ハイクラスな生地で、柄には金糸・銀糸を使用しています。人気のディズニーデザインが大きく縫われていますが、和装に合うようにさりげないおしゃれさを演出しています。子供っぽくなりすぎないので、小さい子供でなくても着用できます。
綿素材のしゃり感と絞り感を楽しめる
綿糸と麻糸を織り交ぜて、強撚糸(きょうねんし)にしたことによって生まれた「しゃり感」と「絞り感」が楽しめる本格的な兵児帯です。綿糸なので、子供が元気に動いても帯が型崩れしにくいのが特徴です。綿特有のマットで高級感のある質感が楽しめます。
ボリュームのあるしわふわ感でアレンジが効く
しわ加工がされているためレトロな質感で、結ぶとボリュームが出てかわいく仕上がります。柄が無地なので、どんな浴衣にも合います。カラーバリエーションが豊富なので、好みの2枚を選んでアレンジを自在に楽しむのがおすすめです。
オーガン素材だからフワフワ動く
オーガン素材で空気を含んで軽く、動くたびに揺れる兵児帯が2枚セットになっています。1枚目は夏の夜空にぴったりの星の柄で、2枚目は無地の透け感のある帯になっています。1枚で使っても、2枚で使っても涼しげでかわいいアレンジが楽しめます。
半幅帯(はんぱおび)
生地がしっかりしている半幅帯は、大人の女の子に合う帯です。上級者向けの結び方が楽しめますから、着物の着付けに慣れている方向けの子供用の帯です。
角帯(かくおび)
リバーシブルなので、1本で2通りに締めることができます。
角帯は男結びの「貝の口」で格好良く決めましょう。ご紹介する男結びの参考動画は、手順が詳しくていねいに説明されていますので参考にしてください。
【角帯の男結び「貝の口」の結び方動画】
男の子は動きが激しくなりがちですから、帯が外れてしまわないように、見えない位置をクリップで固定する工夫をしておくと安心です。