シカゴ大学ってどんな大学?シカゴ大学の特色と入学審査基準を解説! - cocoiro career (ココイロ・キャリア)

シカゴ大学は、アメリカで3番目の人口を誇る街にある伝統と実力を兼ね備えた大学です。今回の記事では、シカゴ大学はどのような大学なのかを概要だけでなく、世界大学ランキングや著名な卒業生、3つの特色も交えながらご紹介します。入学するための審査基準と学費も解説していますので、進学を考えている方はぜひ参考になさってください。

シカゴ大学の概要

シカゴ大学は、アメリカ合衆国イリノイ州にある1890年に設立された世界トップレベルの私立大学です。学部生の人数は、約6,500名(2019年現在)とハーバード大学などのアイビーリーグに比べるとコンパクトです。約39%が白人系で、アジア系は19%と白人に次いで多い割合になっています。

大学のモデルは、イギリス型のカレッジとドイツ型の研究型大学院で、それらを組み合わせてつくられています。創設のために資金を提供したのが、石油王のジョン・ロックフェラーです。大戦前のマンハッタン計画では、世界初の核反応実験に成功したことでも知られています。

世界大学ランキングから見る評価

シカゴ大学は、世界大学ランキングで高い評価を受けています。日本でよく引用されるTIMES HIGHER EDUCATION(THE)では2011~2020年まで9~12位の間にランクしています。これは、Quacquarelli Symondsの評価も同様です。学術的な成果を重視するAcademic Ranking of World Universitiesでも10位前後で推移しており、世界でもトップレベルの大学であるといえるでしょう。

ランキング シカゴ大学 東京大学(参考)
TIMES HIGHER EDUCATION 9位 36位
Quacquarelli Symonds 10位 22位
Academic Ranking of World Universities 10位 25位

参考

World University Rankings 2020|Times Higher Education (THE)

Top Universities in the World 2020|Top Universities

Academic Ranking of World Universities 2019|shanghairanking

日本人卒業生・関係者

シカゴ大学では多くの日本人が学んできました。卒業生には政財界の方々が多くいます。また、ノーベル物理学賞を受賞した南部陽一郎さんが名誉教授として在籍するなど、日本人研究者や教授も活躍しています。

【卒業生】

名前(敬称略) 職業・肩書
西山千明 立教大学名誉教授・経済学者
井下理 慶應義塾大学名誉教授
白川方明 第30代 日本銀行総裁
江原伸好 ゴールドマン・サックス日本人初のゼネラルパートナー
山口一男 シカゴ大学社会学部教授
楠雄治 楽天証券代表取締役社長
小林慶一郎 慶應義塾大学教授・経済学者

【関係者】

名前(敬称略) 職業・肩書
南部陽一郎 ノーベル物理学賞受賞者、シカゴ大学名誉教授
藤田哲也 気象学者、シカゴ大学名誉教授
加藤和也 数学者、シカゴ大学数学科教授
中村祐輔 医学者、シカゴ大学医学部教授
小柴昌俊 ノーベル物理学賞受賞者、元シカゴ大学研究員

シカゴ大学|Wikipedia より筆者作成)

シカゴ大学の3つの特色

シカゴ大学は多くのノーベル賞受賞者を輩出しており、その中でも「シカゴ学派」と呼ばれることがあるほど経済学は有名です。さらに、五大湖に面した立地もシカゴ大学の魅力の1つです。

ノーベル賞学者を多数輩出

シカゴ大学は、ノーベル賞学者を100人輩出しています。(所属した学生、教授、研究者を含む)これは、ハーバード大学、ケンブリッジ大学、カリフォルニア大学バークレー校に次ぐ世界で4番目に多い受賞者数です。また、経済学賞は、マサチューセッツ工科大学に次ぐ世界で2番目に多くの受賞者を輩出しています。

シカゴ大学のノーベル賞受賞者の中には、ノーベル平和賞を受賞したバラク・オバマ前アメリカ大統領やノーベル経済学賞を受賞したゲーリー・ベッカーやフリードリヒ・ハイエク、ジョージ・スティグラー、ノーベル文学賞を受賞したソール・ベローなどが有名です。

分野 受賞人数
ノーベル経済学賞 33人
ノーベル物理学賞 32人
ノーベル化学賞 19人
ノーベル生理学・医学賞 11人
ノーベル文学賞 3人
ノーベル平和賞 2人

List of Nobel laureates affiliated with the University of Chicago|Wikipediaより筆者作成)

「シカゴ学派」があるほど経済学部が有名

ノーベル経済学賞受賞者の数を見ても分かるように、シカゴ大学は経済学部が有名です。1960年代ごろには、「シカゴ学派」と呼ばれる経済学の学派が誕生したほどでした。

シカゴ大学の経済学部が世界トップレベルである要因として、潤沢な資金と地理的条件が挙げられています。シカゴ大学は、石油王ジョン・ロックフェラーが創設した大学だけあり、教授の給与が高く講義さえしていれば研究に没頭できる環境があります。そのため、世界中から優秀な研究者が集まりやすいといわれています。

また、ハーバード大学があるアメリカ東部は、政府機関に近いため、政府機関のアドバイザー的な役割を担うことが多くあります。その結果、基礎研究よりも現実的な政策に関心が移りやすいです。それに比べて、中西部に位置するシカゴ大学は、より基礎研究に没頭しやすいのです。さらに、シカゴ大学の基礎研究を重視する学風も影響しているでしょう。

大都市にあり五大湖に面する立地

アメリカというとロサンゼルスやラスベガスがある西海岸やニューヨーク、ボストンなどがある東海岸をイメージしやすいです。しかし、シカゴは、アメリカで3番目に人口が多い都市でありながら、海岸沿いではなく五大湖に面しています。

シカゴが面しているのは、唯一アメリカ領内にだけ位置するミシガン湖で、ミシガン湖の対岸から見たシカゴの摩天楼は圧巻です。

また、ブルースやジャズなどの音楽文化があると思えば、アメリカ五大オーケストラのビッグ・ファイブに名を連ねるシカゴ交響楽団もあります。美術館も豊富です。さらに、プロスポーツチームの本拠地としても有名で、プロ野球は2チーム、アメリカンフットボール、サッカー、バスケットボール、プロホッケーと、アメリカの四大スポーツのプロチームがすべてあります。そのため、大学外でも多くの刺激や学びを得ることができるでしょう。