レポートで欠かせない引用文献とは?正しい書き方や注意点を紹介 - cocoiro career (ココイロ・キャリア)

学校の課題などでレポートを作成する際、多くの方が書籍や論文など、研究成果が記された文言を引用するかと思います。レポート作成時には文章の最後に引用した文献を明記する必要があり、引用文献を明確にすることはレポートの内容の評価にもつながります。今回は、レポートを書く上で欠かせない引用文献について、正しい書き方や注意点などを紹介します。

レポートの引用文献について

学校の課題でレポートを作成する機会もあることでしょう。レポートを作成するためにさまざまな文献を参考にしますが、引用文献は正しく記載する必要があります。引用文献と同様に「参考文献」がありますが、引用文献と参考文献の違いとは何なのでしょうか。まずは引用文献の意味と、参考文献との違いについて紹介します。

引用文献とは?

学校でレポートや論文を書く際には、引用文献や参考文献を明記することが求められます。理由として、何も調べずに個人の意見や感想だけを書いてしまうと、空論を述べているのと同じことになるからです。文献に記されている内容について調査し、得た情報や表現を利用して書くことで初めてレポートとしての評価につながります。

引用文献とは、名前の通り引用した文献のことをいい、一般的にレポートでは文章の最後に明記されます。一般的に書物には著作権というものが存在するため、引用文献や参考文献を利用することは「著作権違反になるのでは?」と考える方もいるかもしれません。

しかし、著作権法では、著作権者に許可を得ずに公表された著作物を利用できる例外を設けています。その一つが「引用」です。

引用文献と参考文献の違いは?

引用文献とは、前述した通り引用した文献のことをいい、文献の文言をそのまま利用することを「引用」、引用した文言が掲載されている文献を総称して「引用文献」といいます。他人の見解や研究結果などを使用する場合や、研究内容の図表を掲載する場合は引用に該当するため、引用文献として明記する必要があります。

一方で、参考文献とは、レポートなどを作成する際に参考にした書籍や新聞記事のことで、参考にした文献を探すための情報となります。引用文献は、記載されている文章をそのままの形で使った場合の、文章が掲載されている文献を指しますが、参考文献は自分の著作として文章を書く際に参考にした文献を指しています。参照したけれど本文中では直接引用しなかった場合も、参考文献に含まれます。

レポート作成時の引用文献の書き方

レポートに引用する場合、引用文は原文を一言一句そのまま記入しなければなりません。例えば旧字を新字に変更したり、句読点を変更したり、文字を削除したりすることはできません。ここでは、レポートに引用文献を書く際の方法について具体的に紹介します。参考文献はレポートの最後に記載することがほとんどですが、引用文献は脚注をつけて文章の終わりに記載するのがいいでしょう。

引用する際の脚注のつけ方

脚注とは、本文の最後につける注意書きのことをいいます。本文からははずれるものの、本文を補足するための説明が必要な場合や、引用文献、参考にした資料を明らかにする場合などにつけます。引用文の出典の記入方法に統一ルールはないようですが、脚注をつけるときは引用部分の末尾に番号を記します。番号は縦書きの場合は右下に、横書きの場合は右上につけるようにし、見出しもしくは文章全体の最後の脚注欄に引用文献を記載します。引用した文言は「」でくくり、引用であることを明らかにすることも大切なポイントです。

短い引用文の場合

例えば短い文章を引用する場合は、引用する文章の最初と最後を引用符 「 “ ” 」 でくくります。以下は、引用の例文です。

鈴木氏は、“レポート作成の際は、他者の意見や文献も参考にすべきだ。”と述べている。1)

文末に脚注をつけ、引用文献を脚注欄に記載します。引用する文章が短い場合と長い場合とでは書き方が異なるため、注意が必要です。文中での書き方は、引用部分を「」(かぎかっこ)または“”(ダブルクォーテーション)で囲んで示すのが一般的です。脚注欄には引用文献の著者の名前、出版年、掲載ページなどを()内に書きます。

長い引用文の場合

引用したい文章が長い場合は、引用符は使わずに本文との間を前後1行ほどあけ、文頭を下げて書くと分かりやすくなります。以下、例文です。

『・・・・・・について、鈴木氏は、次のように述べている。

レポートに他人の意見を引用するときは、著作権に十分に配慮しながら、引用しなければならないだろう。1)

このように、・・・・・・』

引用文が複数ページに渡る際は、引用文献の情報にページ数「pp.104-105」などを加えましょう。しかし、ページ数にかかわらず、引用は必要な部分のみに絞り込んで長くならないようにする方がいいでしょう。

図書・雑誌・論文などから引用した場合

図書から引用した場合は、引用文献の項目に以下の情報を書くようにしましょう。また、引用文献の最初に脚注番号を忘れずに記載しましょう。

1)著者名、書名、版表示、出版地、出版社、出版年、掲載ページ

複数の著者によって書かれた本から引用する場合は、引用部分を誰が書いたかを明確にする必要があるため、章節ごとの著者名を明らかにしましょう。その場合、最初に章の著者名を明記し、章のタイトル・本の著者・編者名~のように書くといいでしょう。

また、雑誌や論文から引用した場合は、以下のような情報を書きましょう。

1)著者名、論文名:副題、誌名、巻数、号数あるいは通巻、出版年月日、該当ページ