テレビの情報番組のお天気コーナーで見かけることの多い、気象予報士。老若男女を問わずさまざまな方が活躍されています。
天気という自然環境を学び、多くの実例や知識の中から予測を導き出す……華やかな活躍の舞台に立つにはたくさんの努力が必要な職業です。
この記事では、憧れる人も多い気象予報士になるにはどのようなスキルが必要なのか、また年収や適性はどうなのかという点についてまとめました。気象予報士になりたいという希望をお持ちの方はぜひ参考にしてください。
もくじ
気象予報士になるには
気象予報士は、気象業務法の改正によって導入され、平成6年から実施されている比較的新しい制度です。不適切な予報により社会的な混乱を招くことがないよう、正しい知識と高度なデータの分析などにより結果を導き出すための制度です。
気象予報士になるには、気象業務支援センターが実施する気象予報士試験に合格することが必須で、さらに気象庁長官の登録を受けることが必要になります。
気象予報士の仕事内容
では、実際に気象予報士はどのような業務を担っているのでしょうか？
天候を予測する
気象予報士の主な仕事の1つとして、気候に関するさまざまなデータを分析し、天候を予測することが挙げられます。天候のデータは一般家庭だけでなく企業にも必要であるため、正確な予測が必須とされるからです。
漁業や農業といった自然が相手の産業をはじめ、季節や温度によって左右される商品の開発や販売などにも天候のデータは不可欠です。過去の事例や膨大なデータを分析し、天候を導き出す……これが気象予報士のメインの業務とされます。
分かりやすく伝える
気象予報士はテレビやラジオなどの媒体を使って予測した天気を伝えることもあります。その際、分かりやすく国民に伝えるということも大切なポイントです。
専門用語ばかりでは難しくて分かりません。反対に平易な言葉だけではまどろっこしくなり、伝えたい内容が分からなくなってしまいます。
そのような事態を防ぐために、気象予報士自身が分かりやすく伝えるだけでなく、ほかの担当者が分かりやすく伝えるための原稿作りも重要な業務といえます。
情報を発信する
メディアに勤務する気象予報士に限らず、大切な情報を発信することは気象予報士の業務の1つといえるでしょう。天候は人々の生活に密着しているため、生活に及ぼす影響も絶大です。近年ではゲリラ豪雨や急な落雷、竜巻など、さまざまな地域で災害につながりかねない気候に見舞われることが多くなってきています。予測できる範囲であれば注意喚起を行ったり、少しでも多くの人にきちんと情報を発信したりしなければいけません。
気象予報士のやりがい・魅力
気象予報士のやりがいや魅力はどのようなところにあるのでしょうか？
確定の難しい予測をする
気象に関する過去の膨大なデータや事例を分析し、確定することの難しい天気を予測する……この業務は非常にやりがいがあるといえるでしょう。
気象予報に関して絶対ということはありません。ほんの少しの状況の変化で、結果が大きく変わることも多いからです。そんな確定の難しい予測を自らの知識と経験から導き出すことは、困難であるからこそ、当たったときの達成感は大きいといえます。
人々の暮らしに密着している
天気は人々の暮らしに非常に密着している事柄です。
行事やレジャーなどで考慮されることはもちろん、農業や漁業などに携わる人は天気に左右されることが多いため、注意している割合も高くなります。
週間予報で家事のスケジュールを考える人も少なくないはずです。
自分の発信する予報が人々の暮らしに密着しているという実感は、この仕事の大きな魅力なのです。
自然環境について学べる
気象予報士は気象学を学びます。気象学とはすなわち自然環境に関すること。今まで知らなかった身近なことを学べるのは大きな魅力の1つです。
地球の温暖化や砂漠化などによる弊害がどれだけのものか……などは自分で学ばない限り実感が湧かないはずです。気象学を学ぶことで自分たちを取り巻く環境について深く知ることができるのは、気象予報士ならではの醍醐味といえるでしょう。
