高卒を採用するにはルールがある!?スケジュールや面接対策 - cocoiro career (ココイロ・キャリア)

高卒者の就職活動では、いくつかのルールが決められています。この記事では高卒採用で慣行となっている1人1社制の概要や、面接のルールをご紹介していきます。記事の後半では、高校を卒業した人が就職するまでのスケジュールや、面接時によく聞かれる質問や注意点を解説していきます。

高校を卒業して就職しようと考えている方はぜひ参考にしてください。

高卒採用のルール

まだ社会経験が少ない高校生を守るために、高卒者の就職活動に関してはさまざまなルールがあります。高校生がスムーズに就活ができるよう文部科学省や全国高等学校協会、日本商工会議所、一般財団法人日本経済団体連合会、全国中小企業団体中央会が集まってルールを決めています。ここでは高卒採用のルールを2つご紹介します。

1人1社制について

高校生が就活をする際は1人1社制という慣行があります。大学生の就活は、複数の会社を併願して就職活動を進めていくことが一般的でしょう。高校生は就職活動で、複数の会社を併願することはできず、1社のみ選考します。以下で、1人1社制のメリットについて説明していきます。

1人1社制とは

1人1社制とは、就活をする生徒は1社しか応募することができない制度です。大学生の就活のように複数の企業にエントリーすることはできません。もし応募した企業に受からなかったら、次の企業を探さなければいけません。

1人1社制は9月の選考のみが対象で、仮に落ちてしまった場合、10月もしくは11月の選考では2社受けることができます。都道府県によっては例外もありますし、1人1社制は見直される動きもあります。現状がどうなっているのか各学校の先生に聞いてみるといいでしょう。

1人1社制のメリット

大学生のように複数の企業を受けることができず、高校生の就職活動はスムーズでないと思ってしまうかもしれません。しかし、進路指導や就活のサポートを手厚く受けながら就職活動を進められ、企業も確実に内定者を獲得できるメリットはあります。

一番大きな1人1社制のメリットは、1つの企業の選考に専念できることです。大学生で複数の企業を受けるとしれば、それぞれの企業研究をしなければならず、時間がかかってしまうかもしれません。1人1社制なら1社に専念できるため、しっかり企業のことを知ることができるでしょう。

また、1人1社制であれば就活に必要以上の時間を取られることもないので、充実した学校生活を送ることができるでしょう。

複数内定をもらっている大学生は、いずれかの企業の内定を辞退しなければいけません。1人1社制の場合、内定を辞退するケースは極端に少なく、企業は確実に人員を確保できます。企業にとってのメリットは、辞退するケースがほとんどないことでしょう。

面接内容について

高卒を採用する場合、面接にも細かいルールがあります。書類選考がなく、面接の回数が1回だけの企業が多く、面接内容に制限があることなどが大学生の就活と大きく異なります。

書類選考なし

大学生の就活では、履歴書やエントリーシートを提出した上で書類選考が行われます。大学生の中で書類選考で落ちた方は多いでしょう。高校生の就活でも、志望する企業に履歴書を提出します。しかし、書類選考はありません。

高卒の就活生には書類選考がない代わりに、適性検査や一般常識テストが行われることが多いようです。

面接の回数は1回だけの企業が多い

大学生の就活では、1次面接、集団面接、2次面接、最終面接などと、複数回面接があることが一般的です。一方、高卒の就活では1回の面接で終わることが一般的。その理由は、複数回の面接を複数の日にまたがって行うと、生徒の学業に支障が出るからといわれています。

生徒の立場からすると、面接が少ないのはありがたいかもしれません。しかし、採用する企業側は何回か面接して、生徒との距離を縮めたいと思っているかもしれません。ですから、1回の面接であなたがどういう性格か、就職してどんなことができるのかを面接官にしっかり伝えることが大切です。

面接内容にも制限がある

高校生の面接に限りませんが、企業と求職者の間では内容に制限があります。試験官が面接時に質問してはいけない内容をまとめました。

  • 本籍地に関すること(出身地や両親の出身地など)
  • 住んでいる地域について(どの年に住んでいるか、住んでいる環境についてなど)
  • 家族構成について(親の職業について、家庭の雰囲気について、家族の病気について、家族の収入についてなど)
  • 資産について(住んでいる家は一軒家なのか、土地をいくらもっているかなど)
  • 思想・宗教・政党について(宗教について、尊敬する人、好きな本など)
  • 女性に限定する質問(出産しても働くのか、交際相手はいるのかなど)

参考

就職差別につながるおそれのある不適切な質問の例|大阪労務局

個人のプライバシーに関わることは質問してはいけないことになっています。面接時には適性と能力に関係することのみを質問されると考えていいでしょう。

高卒で就職するまでのスケジュール

下記に主なスケジュールをまとめました。

  • 5月 企業がハローワークの説明会に参加
  • 6月 ハローワークが求人受付開始
  • 7月 求人発行。学校訪問や会社見学
  • 9月 応募開始 選考開始
  • 10月 内定or受からなかったら次の企業の選考

参考

そろそろ準備開始!2020年3月卒、新卒高校生採用活動|高卒就職・採用フォーラム

学生が本格的に就活を始めるのは7月からです。たくさんの求人の中から興味のある業種を選び、行きたい企業を絞り込んでいく必要があります。気になる企業があればパンフレットや参考資料がないか先生に聞いてみるのもいいでしょう。

9月の応募開始までの間に、企業を1社に絞り込む必要があります。夏休みを利用し会社見学に行くのもいいでしょう。夏休みを使って自己分析や企業研究をすることが大切です。少しでも疑問に思うことがあれば担任の先生や進路指導の先生に聞いてみましょう。

応募する企業が決まれば、9月には面接が始まります。自己分析をしっかり行い、自分が企業にどのように貢献できるかしっかり伝わるようにしましょう。面接の結果は10月までには学校に通知がくるようです。