教育社会学はどんな学問?教育学との違い、歴史や研究内容について

教職課程や学芸員課程などを履修すると、必修科目に「教育社会学」があるという大学もあります。目にしたことはあるものの、どんな学問領域なのか問われれば、すぐには答えにくいかもしれない教育社会学。しかし「教育」と「社会」を冠する名称からは現代の教育を考えるのに役立ちそうでもあります。教育社会学とはどのような学問なのか、実際にどのようなことが研究されているのか紹介します。

教育社会学とは

「教育学なの? 社会学なの?」と混乱するような名称の教育社会学。専門の研究者は教育社会学をどのように解説しているのか、見てみましょう。

社会学的に教育にアプローチする学問

教育社会学は、一言でいえば、「教育を研究対象として、社会学的に研究する学問領域」といえます。それを詳しく述べれば以下のようになります。

教育社会学では、対象である教育を社会事象と見て研究します。つまり、①教師や親と子どもの相互行為が行われる社会関係としての教育(社会としての教育)、また教育と社会全体との関係に着目します。そこでは、②教育に対する社会からの影響(社会的規定)、ならびに③教育の社会に及ぼす影響(社会的機能)を明らかにしようとします。

(引用元:教育社会学とは | 京都大学教育社会学研究室

現代日本では、大人は生育過程で何らかの教育を受けています。教育社会学では、教育をあくまでも社会の仕組みの中で発生する現象として客観的に捉えます。人間と教育、社会と教育の関係性を明らかにすることで、それぞれが互いにどのように影響を与え、教育や社会、人間に変化をもたらしているのかを分析しようとする学問です。

教育学との違い

このように教育社会学を捉えると「ある意味教育学と変わらないのでは?」と感じる人もいるかもしれません。教育学と教育社会学の違いについて、東京大学大学院教授の本田由紀氏は以下のように解説しています。

まずもっとも狭義の教育学は、教育思想や教育哲学のような、「教育とはどうあるべきか」を思弁的に追及する「規範学としての教育学」。そしてその外側に、やや広義の教育学として、学校現場に入りながら教育の実践をよくするための手法などを提言したり教員を養成したりする、「方法学としての教育学」があります。

このふたつはやり方は違うものの、「どうすべきか」「どうすればいいか」といった価値や規範とは切り離せない点で、共通点がありますよね。これらが教育学のコア部分で、その外側に、さらに広義の教育学として、なんらかの意味で教育に関わる現象を客観的に把握し明らかにする「事実学としての教育学」があります。ここには教育社会学など多様な分野が含まれます。

(引用元:「どうなっているのか」と「どうすべきか」を一緒に考える / 教育社会学者・本田由紀氏インタビュー | SYNODOS -シノドス-

教育学とは教育そのものを追い求める学問です。それに比べると教育社会学は教育を題材に社会を考える学問です。広い意味では教育学の仲間ではありますが、教育学の周辺に位置していると考えておくと良さそうです。

参考

教育社会学とは | 京都大学教育社会学研究室