全国500校以上で実施!AO入試のメリットとデメリットとは

1990年代から始まり、今では全国の大学500校以上が実施しているAO入試。一般入試や推薦入試とも入学システムが異なるため、特徴をしっかりと理解した上で志望校を目指していきましょう。AO入試の特徴やメリット・デメリット、AO入試対策などについてご紹介します。

AO入試とは

AO入試の特徴

AO入試とは「アドミッションズ・オフィス入試」の略語です。各大学が独自に設けている学生像に適しているか否かで入学を許可する制度です。もともとは、アメリカの大学で採用されていた入学システム。日本では、1990年に慶応義塾大学の湘南藤沢キャンパスでの導入が最初です。
類似する入学システムに推薦試験があります。推薦入試には通っている高校の推薦を必要しますが、AO入試の場合は大学側の提示する出願条件を満たしていれば誰でも出願可能です。また、選考の時期も異なり、AO入試は5~8月ごろに募集を開始します。一方の推薦入試は9~12月ごろ。AO入試は、より早い時期に出願可能です。

一般入試との違い

一般入試と異なり、AO入試は基本的に学力試験を設けていません。前述のとおり、一般入試と比べて募集時期も早めです。一般入試と共通しているのは、本人が志望すれば誰でも受験できる点があります。高校の担任や校長の許可などは不要です。
試験内容は、面接(複数回の場合も)や小論文、グループディスカッション、模擬授業などさまざま。試験内容に加え、学部学科への適性や意欲などを踏まえて総合的に評価されます。また、日本数学オリンピックや弁論大会、科学コンテストなどで優秀な成績を収めた学生に対して入学枠を設けている学部もあります。
また、近年では学力試験を課されないことに対して、文部科学省の方向転換を受け、学力の基準を設ける大学が増えています。一部の大学で、大学入試センター試験や個別の筆記意見を課すこともあるようです。

AO入試のメリット

ao入試 メリット

倍率が低い

AO入試は、学部学科によっては一般入試よりも倍率が低く、合格できる可能性も高まります。AO入試の倍率は、1.5〜3倍の学部もあれば10倍以上もあるなど、学部の人気によって変わります。一般入試を受ける前提で、AO入試を受けることも選択肢に入れておいても良いでしょう。

高校の成績を評価で重視しない

AO入試のメリットは学力評価されない点です。推薦入試では、普段の定期テストや授業評価による評定平均値や受験勉強などの学力を求められます。しかし、AO入試はそういった成績などの評価を行いません。生徒によっては、部活動や生徒会活動、課外活動などに注力していたために、学力に関して常に良い成績を収められていないという人もいるでしょう。そういった学生が、一般入試や推薦入試では入学の難しい大学の学部に合格できる可能性がAO入試にはあります。

ただし、学習以外の活動の内容や功績、志望大学で学びたい意欲や資質を備えていると大学にアピールする必要もあります。部活動での優秀な成績、ボランティア活動、生徒会での行事運営などの経験を生かしましょう。

チャンスが多い

AO入試の応募は、5月から8月ごろ。一般入試や推薦入試に比べれると早いタイミングで選考が行われます。仮にAO入試に合格できなかったとしても、一般入試や推薦入試への切り替えも可能です。ただ、AO入試が不合格と分かってからセンター試験や二次試験の学習を始めても遅いでしょう。AO試験の合格発表があるまでは、受験勉強も並行して進めましょう。

AO入試のデメリット

志望校の途中変更はできない

AO入試の志望条件は専願です。合格すれば、その学部・学科へ必ず進学しなければなりません。そのため、志望する学部や学科の定まっていない状態で志望することは難しいでしょう。AO入試中の面接でもあいまいな受け答えになるだけでなく、合格後に本当に行きたい学部や学科が見つかったときにシフトすることができません。まずはしっかりと自分の進路、将来の方向性を熟考した上で出願しましょう。

志望学部の偏差値とのギャップ

前述のとおり、AO試験では学力テストを定めていない学部や学科がほとんど。その結果、受験期にほとんど学力向上の努力をしないまま、大学進学に至る生徒もいます。そうすると、学部で求められる学力基準に到達せず、単位の取得で苦労する可能性もあるでしょう。
こういった問題に対して、文部科学省は2020年度からAO入試を含む入学試験に学力評価を義務づける方針を固めています。2020年より、従来の大学入試センター試験に代わり、「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」を導入。学力評価のため、新テストの受験、大学独自の試験、小論文などを課すことを各大学へ通知する見とおしです。

また、試験を課す課されるではなく、生徒自身がAO入試で合格しても、すぐに勉強をやめずに入学予定の学部に見合った学習を進めることをおすすめします。学部の過去問を解いてみるだけでも、どの程度学力にギャップがあるかを把握できます。入学してから、単位習得に焦るか、成績優秀者を目指すか、どういったキャンパスライフを過ごすのかは生徒次第です。

併願できない

1つ目のデメリットと重複する箇所もありますが、AO入試は併願できません。つまり、1つの学部・学科に出願を希望すると、ほかの大学のAO入試に出願できません。大学側は、AO入試で適性があると判断した学生が合格後に別の大学に行かれてしまっては困ります。AO入試を受ける大学を決める際には、他大学のAO入試を受けないことを明らかにした上で受験しましょう。

AO入試を受けるための準備

志望理由を明確にしてアピール

「なんとなく」といった理由で大学のAO入試を受験することは避けましょう。まずは大学の特徴を把握して、特徴に自分が適しているとアピールできる志望理由を準備します。大学の特徴を理解するためにおすすめなのはオープンキャンパスに参加することです。実際にキャンパスに訪れて、授業内容、キャンパスの雰囲気、通っている学生の様子、学習環境などを自分の目で確かめて情報を集めましょう。その上で自分の将来の方向性とひもづけて伝えられれば、説得力のある志望理由になります。

模擬面接で慣れておく

面接対策で重要なのは模擬面接です。担任や進路指導の先生を頼って、本番に即した面接練習を行いましょう。話の中心は、「志望理由」と「自己紹介」です。緊張せずにしっかりと内容を伝えられるまで何度も練習しておきましょう。

AO入試を受けつけている全国の学校

短期大学および大学でAO入試を受けている生徒数は下記のとおりです。

    2017年度

  • 国立大学
  • 大学数(65.9%)54 学部数(44.7%)178 入学者数(3.3%)3,249

  • 公立大学
  • 大学数(30.2%)26 学部数(20.0%)36 入学者数(2.4%)761

  • 私立大学
  • 大学数(81.3%)474 学部数(70.6%)1,241 入学者数(10.7%)52,020

  • 合計
  • 大学数(73.8%)554 学部数(62.3%)1,455 入学者数(9.1%)56,030

  • 公立短期大学
  • 大学数(33.3%)5 学部数(22.5%)9 入学者数(4.5%)138

  • 私立短期大学
  • 大学数(85.9%)261 学部数(83.4%)471 入学者数(24.8%)13,082

  • 合計
  • 大学酢(83.4%)266 学部数(79.3%)480 入学者数(23.7%)13,220

(参照元:平成29年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要|文部科学省

私立大学での入学者数が特に多く、52,020人となっています。私立大学入学者の10人に1人はAO入試となっています。

終わりに

年々増加しているAO入試受験者。文部科学省の方針により、今後学力試験を導入するなど受験方式が変わってくるかもしれません。いずれにせよ、将来の進路や大学を志望する理由を固めた上で受験する大学や学部を決めましょう。

参考
平成29年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要|文部科学省
AO入試のメリット・デメリットを徹底解説!推薦入試との違いは?|aoi
AO入試とは?AO入試を簡単にわかりやすく解説|aoi
推薦・AO入試を受けるメリットと対策とは?|Benesse
大学AO入試、学力評価を義務化 文科省、20年度から|日本経済新聞
AO入試と推薦入試の違い|進学ネット
AO入試|Wikipedia

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