伝統文化をつなぐ仕事!ゼロから鷹匠になるには - cocoiro career (ココイロ・キャリア)

鷹匠は、存在自体は知られているものの、触れ合う機会がほとんどない職種の一つといえるかもしれません。鷹匠は、鷹とともに暮らしながら鷹を育て、訓練をする仕事です。その歴史は大変古く、日本でも西暦300年代から、その原形となる仕事があったようです。今回は、鷹匠が扱う猛禽類(もうきんるい)、鷹匠になる方法、鷹匠の働き方などについてご紹介します。

鷹匠の仕事内容とは

鷹匠とは、主に鷹の飼育や訓練を行う専門家です。かつては鷹を使って狩りをし、獲物を売る仕事でした。現在では、自然保護のために狩猟が制限されており、狩猟一本では生計を成り立たせるのが難しくなっています。鷹狩の歴史をさかのぼると、中央アジアやモンゴル高原周辺が発祥の地と言われています。日本では335年ごろ、仁徳天皇の時代に鷹狩を行われていたようです。江戸時代には、軍人の演習や民衆の視察のために大名たちが行っていました。しかし1490年以降、銃器が発達するとともに衰退して、自然豊かな地方で細々と行われる程度になっています。

鷹狩では、犬を使って林や藪から野鳥を飛び立たせ鷹に捕獲させたり、野兎やたぬきなどを雪山で捕獲させたりします。動物との人間のチームワークが重要です。鷹匠として伝統的技術の披露、市街地で糞害を引き起こすカラスやハトなどの追い払い、バードストライクの対策などに尽力しています。

使用する猛禽類の種類

鷹狩で使用する猛禽類は、捕獲の対象や目的に応じて異なります。たとえば、ヒバリやツグミに対しては小型のハイタカ、キジ・ヤドカリ・カモ・ウサギには中型のオオタカを用います。ハイタカやオオタカは、広く短い翼と長い尾を持つため、木々の間をすり抜けて獲物を確保します。

中・大型の鳥類やウサギ、小鹿といった哺乳類には、熊鷹やイヌワシを用います。大型の熊鷹やイヌワシの飼育は負担が大きくなるため、扱う人はわずかです。鴨や鳩などにはハヤブサを用います。ハヤブサは、素早く急降下して懸爪で獲物を蹴落とします。このように猛禽類の種類によって捕獲できる動物は変わってくるのです。