大学院の志望理由書はなぜ必要?書くべき内容や例文をご紹介

子供が大学院進学を希望しているのであれば、受験の願書などと一緒に提出を求められることが多いのが「志望理由書」です。大学院の志望理由書とは、いったいどのようなことを、どのように書くべきなのでしょうか?

当記事では、大学院入試で志望理由が必要とされる理由や、志望理由書に書くべき4つの内容と例文をご紹介します。

大学院入試で志望理由が必要な理由

そもそも大学院入試では、なぜ志望理由書の提出が求められるのでしょうか。大学院入試に志望理由が必要な理由を解説します。

なぜうちの大学院・研究室なのか知りたい

文部科学省が平成28年に発表した「大学院の現状を示す基本的なデータ」によると、日本には大学院の修士課程を設置している大学は、国公立・私立を合わせて1,703校あります。また研究室単位で考えると、さらに数は多くなります。

数多くある大学院の中から「なぜ、この大学院へ進学したいのか?」という質問をするのは、研究を指導していく側からすれば「うちの大学院や研究室に何を期待しているのか」を確認する作業でもあります。

論理的な説明ができているか

論理的な思考力を持って、物事を説明することができるかを志望理由書で見ている可能性もあります。大学院の志望理由書はある程度の文量を求められることが多いです。大学院に進学すれば、研究を進めるにあたって論文や関係書籍を読み、最終的には自分自身も論文を書くことが求められます。

そのため、志望理由書全体をとおして「志望理由が論理的に述べられているか」についても見られていると思った方が良いでしょう。

大学院進学にあたっての熱意を見たい

自分が専攻する分野や研究に対しての「熱意」を見たいとしている大学院もあります。大学院に入ってから行う研究は、「ゴールが見えない」「答えのない」ような問題に取り組んで行くことが多くなります。

そのため、研究を継続していくための自主性や継続力が必要となり、それを支えていくのが研究や自分の分野に対する熱意だと考えられているようです。

大学院の志望理由書に書くべき4つの内容


大学院の志望動機書には、いったいどのような内容のことを盛り込んでいけば良いのでしょうか。志望理由に最低限書くべき4つの内容をご紹介します。

志望のきっかけや理由

そもそもどうして大学院に進学しようと思ったのか、なぜその分野を研究するのかなどです。大学院進学やその分野での研究をしたいと自分自身が思った、考えるようになったきっかけや理由となるエピソードがあれば、それを記載しましょう。エピソードを書く際は、相手が読んでいて情景をイメージできるよう詳しく書くと、熱意がより伝わります。

問題意識と目的意識

きっかけや理由と重なる部分がありますが、自分が専攻しようとしている分野と社会をリンクさせたときに、どのようなところに問題意識を持ち、どんな目的意識を持っているかを言語化し伝えることができると良いでしょう。

大学院の修士課程の目的として、文部科学省の「修士課程・博士課程の関係について」の中で下記のように記載されています。

修士課程は、広い視野に立って精深な学識を授け、専攻分野における研究能力又はこれに加えて高度の専門性が求められる職業を担うための卓越した能力を培うことを目的とする。
(引用元:修士課程・博士課程の関係について|文部科学省)

研究能力や専門性が求められる職業を担い、社会に貢献する能力を培うために修士課程はあると記載されています。社会のどのような点に、自分の研究内容を生かすことができるのか、どんな問題を解決するために研究するのかを記載できると良いです。

入学後に何をしたいか

大学院へ進学したのち、何をしたいのかを記載する必要もあります。ここは仮説や予定でもいいので、できるだけ具体的に書いてみましょう。例えば希望している研究内容を、具体的にはどのような手順や方法で研究を進めていきたいかや、その研究をするにあたって、自分にはどのような能力が足りていないから身につけていきたいなどの内容です。

大学院は修士課程であれば2年、博士課程であれば最短3年という短い期間で研究の成果や、研究や専門分野に関する知識を身につけなければなりません。大学院生活をどのように過ごすつもりなのか、実現可能性や計画性を見られています。

修了後のビジョン

大学院へ進学し、研究活動や専門分野を学んだのちにどうしたいのか、ここでも現時点でのビジョンを明確に示しましょう。研究能力や専門性が求められる職業を担える人材の育成を目的とする大学院では、やはり研究職や専門分野を生かせる企業への就職などについて記載できると良いです。

「研究をとおして得た成果を、世の中にしっかり還元できる研究職になりたいです」など、熱意をアピールできるところです。本当にその道へ進むかどうか迷っていたとしても、現時点でどのような将来を考えているかを伝えましょう。

【例文】大学院の志望理由書

では最後に志望理由書の例文を記載します。分野は違うかもしれませんが、志望理由書を作成するときの参考になさってみてください。

貴専攻の進学を希望する理由は、国籍や出身大学、文理等関係なく幅広い分野出身の学生が集まっているという本専攻の特色に感銘を受け、貴専攻において私と異なる経歴を有する人々との交流を通し、学問的にも人間的にも切磋琢磨していきたいと強く考えたためです。貴専攻の、大学院への入学試験時に学生を文系・理系に分けない先進的な教育体形が非常に斬新で、素晴らしいものであると考えております。

私は○○科に所属し、熱力学・流体力学・機械力学・材料力学の 4力学を基礎としたものづくりを中心とした機械工学の知識について学んできました。大学2年次の○○概論という講義で、フロン等によってもたらされるオゾン層の破壊による地球温暖化のメカニズムや、火力発電やコンクリートの生産等の人類の社会活動によって発生した二酸化炭素の排出によって起こる地球上の炭素資源の循環への悪影響等、エネルギー利用に伴う地球環境や地域環境への影響について学び、自分の活動に責任を持つことや環境保護を意識することの重要性に気づき、「環境」というテーマをより学びたいという気持ちが強くなりました。

また、2011年発生した、未曾有の東日本大震災に伴う原子力発電所の事故から浮き彫りになった日本の深刻なエネルギー問題から、代替エネルギーの早期の普及の必要性を痛感し、従来の化石燃料や原子力とは異なる形の発電、特に地熱発電に関心を持つようになりました。

これらの事柄をきっかけに、大学院で環境に関する専門性の高い教育を受け,一歩踏み込んだ研究が可能な貴専攻に進学したいという気持ちが強くなりました。特に貴専攻の○○先生の研究室において地熱発電の問題とともに取組まれているディスカッションやプレゼンテーション、ファシリテーション技術等は、将来にわたって地域社会に貢献するために非常に重要な能力であり、これらに関する高い能力をぜひ修得したいと考えています。

現在所属する学部の専攻とは異なる専門分野である貴専攻で学ぶことで、自分を成長させ、大学院卒業後は、身の回りの環境の急速な変化に柔軟に対応出来、自分の能力を十分に発揮できるようになりたいと考えております。決して簡単な道ではないことは十二分に承知の上です。貴専攻への進学が決定した暁には、一心不乱に学業に専念し、研究に励みます。

(引用元:【参考例付き】合格する大学院の志望動機の作り方|ぎりぎり攻めたらいーやん)

終わりに

大学院入試では志望理由書と一緒に研究計画書の提出や論文の記載を求められる場合もあり、文章を書く作業が多くあります。大学院に入る前に練習も兼ねて、論理的に志望理由書を書くことにチャレンジしてみましょう。

参考リンク
修士課程・博士課程の関係について|文部科学省
大学院の現状を示す基本的なデータ||文部科学省
理系チュートリアル通信|河合KALS
【参考例付き】合格する大学院の志望動機の作り方|ぎりぎり攻めたらいーやん

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ニーガタのオーモリ