医学部の受験対策!求められる学力と入試科目、合格するための対策

医学部の受験対策!求められる学力と入試科目、合格するための対策

大学の医学部の入試は、試験のハードルが高いイメージを持たれる方も多いでしょう。当記事では、医学部受験で求められる学力や国公立大学、私立大学でのそれぞれの入試科目、また医学部に合格するためにしておきたい対策についてご紹介します。

医学部受験の現状

現在の医学部受験はどのような状況にあるのでしょうか?

定員増でも大人気の医学部

医学部の定員は年々増加しています。

定員増でも大人気の医学部
(参照元:平成30年度 医学部入学定員増について|文部科学省

文部科学省が発表した「平成30年度 医学部入学定員増について」の資料によると、医学部の入学定員について平成20年度は全国で7,793名でしたが、平成30年度は9,419名と約1,600名増となっています。

平成28年度には東北医科薬科大学、平成29年度には国際医療福祉大学でそれぞれ医学部が新設されており、受験生の受け皿は昔よりも増えていると言えます。

その一方、医学部の受験倍率も年々上がっています。2016年度の国公立大学の他学部を含めた全体の倍率は4.7倍でしたが、医学部に限っては6.7倍です。また、私立大学では他学部を含めた全体では12.3倍ですが、医学部のみでは36.5倍と、約3倍へと倍率が高くなっています。

また、医学部志望の浪人生の多さもその人気を物語っています。2018年度受験生の現役と浪人生の比率のデータは下記のようになっています。

2018年度試験 国公立大学医学部の現役・浪人生合格者比率

大学名 現役 浪人
大分大学 27.7% 72.3%
長崎大学 31.7% 68.3%
富山大学 33.3% 66.7%
新潟大学 35.2% 64.8%
岡山大学 38.3% 61.7%

(参照元:2018年度 合格者/入学者の内訳 現浪比ランキング|医学部受験ラボ
※ 浪人生の合格者比率の多い上位5大学のみ掲載

2018年度試験 私立大学医学部の現役・浪人生合格者比率

大学名 現役 1浪 2浪 3浪
金沢医科大学 12.4% 31.4% 20.0% 36.2%
久留米大学 12.4% 32.1% 22.6% 32.8%
杏林大学 13.7% 33.3% 53.0% ※1 53.0% ※1
岩手医科大学 15.0% 28.3% 55.0% 1.7%
藤田医科大学 15.8% 28.3% 21.7% 26.7%

(参照元:2018年度 合格者/入学者の内訳 現浪比ランキング|医学部受験ラボ
※1 2浪と3浪を合算した割合
※2 浪人生の合格者比率の多い上位5大学のみ掲載

上記のように現役で医学部に合格できる受験生が20%を下回る大学も珍しくないため、現役で医学部に合格することは非常に難しいと言えます。

医学部が人気な理由は、不景気の時代を経験してきた受験生の「資格志向」にあると言われています。また、近年は私立の医学部で学費の減額や奨学金制度の拡充が相次いでおり、学力があれば学費の心配をせずに医学部を目指せる環境が整いつつあるのも一因です。

医学部がある大学と偏差値

国公立大学と私立大学の一覧と偏差値をご紹介していきます。また偏差値の見方やセンター試験でのボーダーライン、足切りラインについては下記の記事も参考にしてみてください。

参考
【2019年版】医学部偏差値ランキングと偏差値の読み取り方を解説

国公立大学の医学部

順位 大学名 偏差値
1 東京大学 74
2 京都大学 72
3 東京医科歯科大学 71
3 大阪大学 71
5 名古屋大学 70
6 神戸大学 69
6 大阪市立大学 69
6 千葉大学 69
6 横浜市立大学 69
6 九州大学 69
6 東北大学 69
6 広島大学 69
6 京都府立大学 69
14 名古屋市立大学 68
15 北海道大学 67
15 岡山大学 67
15 筑波大学 67
15 三重大学 67
15 岐阜大学 67
15 奈良県立医科大学 67
15 金沢大学 67
15 宮崎大学 67
15 大分大学 67
24 新潟大学 66
24 滋賀医科大学 66
24 長崎大学 66
24 和歌山県立医科大学 66
28 山口大学 65
28 信州大学 65
28 香川大学 65
28 山形大学 65
28 群馬大学 65
28 浜松医科大学 65
28 富山大学 65
28 福井大学 65
28 島根大学 65
28 佐賀大学 65
28 鹿児島大学 65
28 秋田大学 65
28 福島県立医科大学 65
28 鳥取大学 65
28 愛媛大学 65
28 高知大学 65
28 札幌医科大学 65
28 弘前大学 65
46 徳島大学 64
46 旭川医科大学 64
46 琉球大学 64
46 熊本大学 64

(参照元:2019医学部偏差値ランキング|医学部受験バイブル

私立大学の医学部

順位 大学名 偏差値
1 慶應義塾大学 73
2 東京慈恵会医科大学 69
2 大阪医科大学 69
4 順天堂大学 68
4 日本医科大学 68
4 防衛医科大学 68
4 関西医科大学 68
8 昭和大学 67
8 国際医療福祉大学 67
10 東京医科大学 66
10 東邦大学 66
10 産業医科大学 66
10 藤田医科大学 66
10 兵庫医科大学 66
15 近畿大学 65
15 杏林大学 65
15 東北医科薬科大学 65
15 久留米大学 65
15 愛知医科大学 65
20 東京女子医科大学 64
20 日本大学 64
20 北里大学 64
20 福岡大学 64
20 岩手医科大学 64
20 獨協医科大学 64
20 金沢医科大学 64
27 東海大学 63
27 聖マリアンナ医科大学 63
27 川崎医科大学 63
30 埼玉医科大学 62
30 帝京大学 62

(参照元:2019医学部偏差値ランキング|医学部受験バイブル

医学部の入試科目と内容

医学部を受験するには、どのような科目を勉強し、また入試ではどのような問題が出題されるのでしょうか? ここでは推薦入試やAO入試ではなく、学力試験が課されることが基本の一般入試を中心に解説していきます。

国公立大学の医学部入試

国公立大学の医学部受験は基本的に、センター試験の受験が必要です。また、大学によってはセンター試験を「一次試験」と位置づけて、点数の低かった人の「足切り」を行う場合もあります。医学部受験の場合、センター試験で85~90%を取れないと、大学独自の個別試験である「二次試験」へ進むことができない場合もあります。

二次試験は、前期日程では英語・数学・理科2科目の試験に面接を行う大学が多いです。

国公立大学医学部の入試科目

センター試験

  • 5教科7科目(外・数2・国・理2・地or公)

個別学力検査
<<前期日程>>

  • 学科試験(英・数・理2)+面接が基本
  • 国語を課す大学もある(東京大・京都大・名古屋大・山形大)

<<後期日程>>

  • 小論文 or 総合問題+面接が基本
  • 学科試験を課す大学もあり

(引用元:医学部入試の基礎知識|河合塾 医進塾

私立大学の医学部入試

私立大学の医学部受験の場合、国公立大学のようにセンター試験を受験することは必須ではありません。しかし、近年ではセンター試験を利用した入試を実施している私立大学も数多くあるため、受験を検討してみても良いかもしれません。また、産業医科大学は私立大学の中では唯一センター試験の受験が必須となっています。

私立大学医学部の入試科目

一般入試の入試科目

  • 基本は英語・数学・理科2科目 + 小論文と面接
  • 理科は物理・化学・生物の3科目のうち、2科目受験が基本
  • 理科1科目のみや、小論文と面接を課さない大学もある

センター試験利用などがある大学

試験内容 大学名
センター試験の受験必須 産業医科大学
センター試験利用の受験方式がある 国際医療福祉大学・獨協医科大学・埼玉医科大学・杏林大学・順天堂大学・昭和大学・帝京大学・東海大学・東京医科大学・日本医科大学・愛知医科大学・藤田医科大学・大阪医科大学・関西医科大学・近畿大学・福岡大学
後期試験を実施する 埼玉医科大学・杏林大学・昭和大学・日本医科大学・金沢医科大学・愛知医科大学・藤田医科大学・大阪医科大学・関西医科大学・近畿大学・久留米大学

(引用元:医学部入試の基礎知識|河合塾 医進塾

学力のみならず、人間性も見られる入試

また、医学部へ進学する人は最終的に医師を目指している人が多く、医師という職業柄、入試の段階で小論文と面接によって人間性も見られています。特に面接は、九州大学を除いた全ての大学で実施されています。

医療現場では予測不能な事態が起こることは頻繁にあります。これらに臨機応変に対応ができる人間を、すでに入試の段階である程度選定しているのです。そのため、面接で課される質問や小論文の題材は変わり種のものが多いようです。学力試験の対策ばかりに注意しすぎて小論文と面接を侮ってしまうと、不合格の可能性も出てきてしまうでしょう。

医学部受験に合格するための対策

非常にハードルの高い医学部の受験に合格するためには、どのような対策が必要なのでしょうか?

志望校は広げずに絞る

「浪人は嫌だから、とにかくたくさん受験する」と考えている子供や親もいるかもしれません。しかし、医学部の受験においてそれは得策ではありません。

大学によっては「試験科目の配点が均等である」、また「特定科目のみ配点を重視」など入試形式はさまざまです。出題範囲や傾向も大学ごとの特徴がある中で多くの大学を受験してしまうと、個々の大学に合った対策が取れずに、どこにも受からなくなってしまう可能性があります。志望校は絞って、その大学に合った対策を効率よくしたほうが良いでしょう。

塾や予備校を上手に使いながら自主的に勉強する

医学部進学を目指すと塾や予備校へ通うことを検討する人もいますが、実は「講義」というスタイルの学習の定着度は高くないことが分かっています。

アメリカ国立訓練研究所の研究により考え出された学習定着率を表す「ラーニングピラミッド(Learning Pyramid)」という概念によると、本人が能動的になればなるほど学習の定着化を図れるとされています。逆を言えば、受動的になればなるほど定着化しないのです。

参考
Audio-visual methods in teaching|Dryden Press professional books in education

塾や予備校に通うことが無意味なのではなく、分からないところを補うために通うなど、塾を活用しながら自分で学習する時間を確保して勉強を進めることが大切です。

指標として模試を活用する

模試は基礎学力の把握に優れた指標のため、「自分はこの科目で基礎ができていない」などの判断をする基準として有用です。結果に一喜一憂せず、今の実力を把握するために利用しましょう。

また、入試という特別な機会でのパフォーマンスを意識するために、模試は本番の試験の気持ちで毎回臨むことをおすすめします。入試は独特の雰囲気と緊張感の中で難しい問題を解かなくてはなりません。「試験慣れ」しておくことが本番での緊張を緩和してくれるはずです。

終わりに


医学部の受験対策は学力試験のみならず、人間性を見られる小論文や面接など非常に多岐に渡ります。早期から対策をしておき、本番の試験では実力を発揮できるように力をつけておきましょう。

参考
医学部入学定員増について|文部科学省
Audio-visual methods in teaching|Dryden Press professional books in education
【医学部受験最前線】医学部受験突破のカギは、無駄のない緻密な準備|Medica pedia
2019医学部センター試験ボーダー、足切り情報まとめ|医学部受験バイブル
医学部入試の基礎知識|河合塾医進塾
医学部に合格するための予備校や塾の活用方法と注意点について|医学部受験バイブル
2018年度 合格者/入学者の内訳 現浪比ランキング|医学部受験ラボ

この記事をかいた人

ニーガタのオーモリ